研究分担者 |
西田 徹志 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (80302751)
今井 敏行 和歌山大学, システム工学部・デザイン情報学科, 助教授 (90213214)
山本 修身 青森大学, 工学部, 講師 (60200789)
速水 謙 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (20251358)
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研究概要 |
(1) 代数的数の符号判定に要する精度の上限に関して今までに行ってきた研究成果を生かして,頂点座標が代数的数で表される場合の幾何要素の位置関係の判定のための精度保証法を構成した.そしてこれを,いくつかの幾何計算が直列につながれて利用される場面などに応用して,算法の安定化をはかることができた. (2) 多項式の零点不在領域に関する山本の理論を応用して,幾何構造の判定のための多項式計算の精度保証法を構成し,図形の誤差判定の安定化などに応用しつつある. (3) 剰余演算を用いた今井の高速符号判定法を利用して,精度保証に必要な計算を単精度計算と同等のメモリ量のみを用いて高速に行う方法を開発し,入力データを整数に限定した凸包構成問題の数値的安定化に応用することができた. (4) 従来の精度保証法でまず計算し,精度が不十分だと分かったときだけ上で開発した新しい保証法に切り換えるという形の遅延評価によって,幾何計算の加速をはかる方法についても検討した.特に,精度が十分か否かの判定には,数値計算の誤差の大きさを評価する方法,位相の無矛盾性を監視する方法,幾何的乱れを評価する方法,オーバーフローを監視する方法について判定精度と計算コストが加速に及ぼす効果を比較検討した.
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