研究概要 |
分散鍵生成に始まり分散復号/署名を行う際に生じる技術的問題点を解決する二つの方式を提案した. 一つは従来の技術[FMY98,FGMY97]に基づく方式で,鍵生成と秘密分散共有時に問題点を解決する処理を埋め込む方法である.もう一つはSimmonsが示したRSA暗号の誤用を問題解決の糸口として応用する方式である.同方式の主なアルゴリズムは我々が文献[MS99]で提案しており,本稿ではその処理に改良を加えた方式を示し,更に強固性を兼ね備えた方式を提案した. 前者では,復号/署名処理時の計算コストが小さいため,最終的に平文/署名文を算出する側が計算処理能力の小さい装置しか持たない環境に適している.一方,後者では鍵生成時の計算コストを復号/署名処理時に移し変え,各シェア保持者の負荷を削減することができる. 本稿での提案方式の比較は,分散暗号プロトコルの実行時のコストを考慮した独自の評価基準に基づいている.
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