研究課題/領域番号 |
10205222
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
浅野 孝夫 中央大学, 理工学部, 教授 (90124544)
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研究分担者 |
宇野 毅明 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 助手 (00302977)
松井 知己 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (30270888)
築山 修治 中央大学, 理工学部, 教授 (90142314)
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キーワード | 近似アルゴリズム / 近似率 / MAX SAT(最大充足化問題) / ネットワークフロー / 半正定値計画法 / VLSI設計 / 列挙アルゴリズム / グラフアルゴリズム |
研究概要 |
本研究は、組合せ最適化問題に対する高性能近似アルゴリズムの研究をネットワークフローと半正定値計画法に基づいて行い、それらの有用性とその限界を究明することを目的としている。より具体的には、最大充足化、最大独立集合、多種フロー、最小被覆集合、最適クラスタリング、VLSIレイアウト設計、解の高速列挙などのネットワーク問題および幾何学的な問題に対する高性能近似アルゴリズムをネットワークフローと半正定値計画法、さらにこれらに匹敵する新手法、に基づいて提案し、その近似性能および計算量を理論的に解析すると同時に、そのアルゴリズムの実用性を計算機実験を通して実証する。併せてその限界も詳細に検討することを目的としている。今年度は研究の2年目であるということで研究調査に重点を置いて研究を遂行したが、同時にいくつかの高性能のアルゴリズムも提案し計算機実験を実行し、以下の成果を得た。 ・最大充足化問題に対して従来の性能0.770を改善して0.833の近似性能をもつアルゴリズムを得た。 ・携帯電話の通信アンテナネットワークの周波数割当問題等のモデル化とみなせる単位円盤グラフにおける最大独立集合問題と頂点連続彩色問題に対してより高性能な近似解法を得た。 ・列挙アルゴリズムの高速化手法の一般化を提案し、既存の研究では高速化が不可能であったアルゴリズムに対しても比較的容易に高速化が行えるようになった。特に、有向グラフの全張木、無向グラフの全長木、マトロイドの基、2部グラフの完全マッチング、2部グラフの極大マッチング無向グラフの2点間を結ぶパス、を列挙するアルゴリズムの高速化を行うことができた。 ・VLSIレイアウト設計に付随する困難問題に対するアルゴリズムに関する研究、特に、フロアプランの手法、配線遅延を最小化するような配線木形状を見出す手法、ならびに高性能高集積マクロセルを歩留まり良く製造するための最適レイアウト合成手法について研究を行い、多くの成果を得た。
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