研究分担者 |
斉藤 明 日本大学, 文理学部, 教授 (90186924)
黒田 耕嗣 日本大学, 文理学部, 教授 (50153416)
夜久 竹夫 日本大学, 文理学部, 教授 (90102821)
陳 致中 東京電機大学, 理工学部, 助教授 (00242933)
谷 聖一 日本大学, 文理学部, 助教授 (70266708)
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研究概要 |
本研究では,グラフ論的な計算問題を中心に多様な研究を行った.(1)グラフ同型性判定問題について,tree-widthやpath-widthが定数に制限された場合にparametarized tractableになるか否かを中心的な研究テーマとし,定期的に研究セミナーを開いて検討した.このセミナーでの討論を通して名古屋氏(電通大)がグラフのクラスをchordalグラフに制限した場合にはparametarized tractableになることを示した.(2)最大独立点集合問題について,Mapグラフに対して幾つかの効率的な近似アルゴリズムを設計することができた.さらに,この研究を通して得られた手法を応用することによって,点彩色問題や頂点被覆問題に対する近似アルゴリズムも設計している.(3)完全独立全域木問題について,四つ以上の頂点を持つ任意の極大平面グラフが少なくとも二つの完全独立全域木を含むことを示し,さらに,一般のグラフが二つ以上の完全独立全域木を含むか否かを決定する問題がNP完全であることを示した.(4)最大重みマッチング問題について,近似率が1-δの確率的並列近似アルゴリズムと,近似率が1/(2+δ)の(確率的でない)並列近似アルゴリズムを設計することができた.(5)順序付き二分決定グラフの等価性判定問題について,一方の順序付き二分決定グラフの幅を制限した場合に関して実用的な高速アルゴリズムを設計した.(6)グラフ文法のヒューマンインターフェイスへの応用について,プログラム図式(フローチャート,PAD,HiChartなど)を描画する問題を研究し,属性付きNCEグラフ文法を利用してプログラム図式を高速に描画するアルゴリズムを提案した.(7)Jones多項式の最高次数決定問題について,アルゴリズム工学的手法を用いることによって,交点数が100個までのpretzel linkに対して計算実験によってJones多項式の最高次数を求めることができた.
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