研究課題/領域番号 |
10206201
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
大峯 巖 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60146719)
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研究分担者 |
住 斉 筑波大学, 物質工学系, 教授 (10134206)
松本 正和 名古屋大学, 物質理科学国際研究センター, 助手 (10283459)
斎藤 真司 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70262847)
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キーワード | 凝縮系 / 化学反応動力学 / プロトン移動 / 蛋白質 / 氷化 / 水 / 選択性・機能性 / 生体高分子反応 |
研究概要 |
凝縮系化学反応動力学に関して、特に次のような水と生体高分子のダイナミックスと選択性・機能性の発生機構を明らかにする研究を行った。 水の氷化過程の分子論的機構の解明、特に氷化のオーダーパラメーターを探った。 水のダイナミクス、揺らぎと緩和、またその物理的観測(高次非線形分光)で特に五次の非線型分光のシグナルに関する分子動力学法によるトラジェクトリー計算の実行し、エコーシグナルの様相を探っている(現在進行)。また三次の赤外についても二次元分光シグナルを解析しており、またトラジェクトリー計算行っている。この研究を通じて水のなかの集団運動と揺らぎのの様相を探るための実験方法を確立する予定である。 氷の中でのプロトン移動のダイナミックスのポテンシャルエネルギーの様子を調べ、その移動に伴うエネルギー障壁が非常に小さいこと、これには四配位目の水分子の反発が効いていることを明らかにした。また反応経路に沿った水分子の運動が小さいが周りの水の協調的運動が効いていることを見つけ、プロトンの移動が高速なのかを明らかにした。さらにプロトンの水和構造が非常に長距離にわったっていることを、約一万水分子を含む系を用いて明らかにした。 超臨界水の非常に高い反応性の分子論的機構を具体的な反応について解析を進めた。その水のペーハーが如何に水和の構造と関係しているかを明らかにした。 生体高分子反応、特にバクテリオ・ロドプシンにおけるプロトン移動、また光合成化学反応におけるキノン分子への電荷(2つづの電子・プロトン)移動機構と蛋白質の構造変化、またその後のキノン分子の蛋白質内の移動の機構、を解析を行った。非経験的分子軌道法・電子相関法と分子場近似を組み合わせ、ロドプシン周りの水素結合のネットワークの様相を調べ、それがプロトン移動と伴に如何に変化していくかを明らかにした。この研究は、生体高分子反応の一意性(選択・機能性)を明らかにする研究へと繋がるものと期待している。
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