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1999 年度 実績報告書

光と単一微粒子の相互作用の理論

研究課題

研究課題/領域番号 10207205
研究機関大阪大学

研究代表者

張 紀久夫  大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (60013489)

研究分担者 石原 一  大阪大学, 基礎工学研究科, 助教授 (60273611)
キーワード共振器 / 誘電体球 / 電子正孔交換相互作用 / 表面モード / 励起子 / サイズ量子化 / Mie共鳴 / WGモード
研究概要

1.誘電体球のWhispering Gallery(WG)モードと原子共鳴準位の結合:誘電体球の共振器モードであるWGモードと球内・外に置いた原子の共鳴がエネルギー的に近いとき連成モードが生じて、ピークシフトや放射寿命幅のやりとりが起こる様子を「繰り込んだ電磁場グリーン関数による非局所応答理論」により研究した。連成モードの幅の和は連成前の幅の和に等しいこと、WGモードの振幅を反映して、原子の位置により結合の強さが大きく変わることが示された。[Ushida et al.:J.Phys.Soc.Jpn.99]
2.球内閉じ込め励起子の光学応答:これまで励起子の準位構造について「重心運動のサイズ量子化」「電子正孔交換相互作用」「下地誘電率によるバルク的遮蔽と鏡像効果」を考慮して、球の半径の関数として励起子準位構造を計算してきた。[Ajiki et al.:EXCON'98]今回は、これに光が入射したときの散乱断面積を計算し、スペクトル共鳴構造とエネルギー準位構造の対応関係を詳しく検討した。この際、下地誘電率を持つ球の電磁場効果を完全に繰り込んだグリーン関数を用いて、微視的・非局所応答理論を再定式化したものを用いた。サイズの広い領域にわたって、量子化準位のシフトや交差、縦・横・表面モードの移り変わり、振動子強度の変化、長波長近似の破れ、Mie共鳴と励起子共鳴の干渉、各励起子準位と光の結合強度の変化等を調べた。[辻哲矢:修士論文2000年3月]閉じ込め励起子の線型応答としては最も完成度の高い研究例を提供したものになっている。
3.励起子共鳴をもつ微小球のMie共鳴:中西グループにおける実験データの解釈の可能性の一つとして、表題のような系の光散乱断面積を計算すると「通常のサイズ量子化が見られるサイズ領域より大きいところで、サイズに依存してシフトする励起子共鳴ピークが現れる場合がある」ことを示した。理論では球形を仮定しているのに対して実験試料の微粒子は様々な異方的形状の微粒子からなるので、定量的な解析は望めないが、定性的な可能性を示したことにはなっている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] J. Ushida: "Radiative Lifetime of an Atom in- and outside of Planar/Spherical Dielectrics"J. Phys. Soc. Jpn.. 68. 2439-2443 (1999)

  • [文献書誌] K. Cho: "Exciton-Radiation Interaction in Nanostructures"Proc. Int. Conf. on "Luminescence and Optical Spectroscopy of Condensed Matter" Osaka 1999, in J. Luminesc.. (to be published).

  • [文献書誌] H. Ajiki: "Transverse and Longtudinal Ckaracters of Excitons in Spherical and Cylindrical Quantum Dots"Proc. Int. Conf. on "Luminescence and Optical Spectroscopy of Condensed Matter" Osaka 1999, in J. Luminesc.. (to be published).

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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