研究課題/領域番号 |
10208201
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
丸岡 啓二 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20135304)
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研究分担者 |
植村 栄 京都大学, 大学院工学研究科, 教授 (70027069)
稲永 純二 九州大学, 基礎有機化学センター, 助教授 (50091244)
覚知 豊次 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助教授 (80113538)
友岡 克彦 東京工業大学, 工学部, 助教授 (70207629)
塩谷 光彦 東京大学, 大学院理学系研究科, 教授 (60187333)
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キーワード | ルイス酸活性種 / 5配位ホウ素鎖体 / 二点配位型金属触媒 / 立体化学制御 / 機能性ルイス酸触媒 / アミノ酸 / 光学活性希土類鎖体 / 固体触媒 |
研究概要 |
本研究では、必要とする立体化学を高選択的に制御すべくルイス酸活性種の開発とその応用に関して、本質的に有用な合成触媒を創製することに努めた。具体的には、代表者である丸岡は先例のないキレート型5配位ホウ素鎖体を検出するとともに、光学活性二点配位型金属触媒を各種のカルボニル化合物とのキレート形成による立体化学制御に基づいた高いエナンチオ選択性の獲得に向けて合理的な新規不斉合成反応プロセスを案出した。大井は、適当な位置にふたつの遷移金属原子を有する二点配位型遷移金属触媒をデザイン、調整し、キレート形成が可能な機能性ルイス酸触媒としての可能性を追求した。また、覚知は、1,2:4,5-ジアンヒドロペンチトールの環化重合により得られる(1→5)-2,4-アンヒドロペンチトールのキラル固定相への応用とアミノ酸光学分割機構の解明を目指した。稲永は、希土類イオンの特性(高いルイス酸性、高配位数等)を巧みに活用することにより、熱力学的に安定で単一触媒活性種として機能する光学活性希土類鎖体を創製し、これらを用いる高立体選択的分子変換法を開発した。植村は、金属交換モンモリロナイト及び金属担持ハイドロタルサイトを固定触媒として利用するアルケンのフリーデル・クラフツ型反応及びアルコール酸化反応をそれぞれ検討し、次いで触媒のリサイクル法の確立を行なった。塩谷は、金属イオンにより塩基対を形成する人工DNA、DNAを鋳型とする自発的集合型金属鎖体、機能性金属鎖体を周囲に配列化した大環状ペプチド合成および機能化を行なった。友岡は、有機リチウム種の動的立体化学を制御することにより、エナンチオ選択的なカルボアニオン反応を開発するとともにラジカル反応のエナンチオ制御をも行った。
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