研究課題/領域番号 |
10208205
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
西口 郁三 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (20026347)
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研究分担者 |
大森 秀信 大阪大学, 薬学部, 教授 (90028845)
野中 勉 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (00016528)
前川 博史 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (70283041)
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キーワード | 電極還元反応 / 高立体選択性 / 分子内環化反応 / 炭素-炭素結合形成反応 / シス-ジアルキルピロリジノール / (Z)-クロログリシジルエステル / 反応性金属陽極 / 還元的クロスカップリング |
研究概要 |
(N-ル-N-α-フェネチルアミノ)メチルアルキルケトンを隔膜付き電解セル中にて支持電解金としてEt_4NOTsを含むメタノール-ジオキサン混合溶媒(またはDMF)中にて電極還元した後、接触水素化反応してフェネチル基を除けば、高選択的な分子内環化反応が起こり、熱力学的により不利なシス-3,4-ジアルキル-3-ピロリジノール類だけが高立体選択的(トランス体は1%以下)に得られた。 この反応では最初の電子移動で生成するカルボニル基のアニオンラジカルがラジカル的な環化反応により選択的に5員環を生成し、殆ど協奏的な第2の電子移動により生成するジアニオン中間体での電子反発作用により、隣接するアルキル基はシス配置になるものと思われる。 今後の問題点としては、生成物収率が必ずしも良好ではないので、溶媒組成、反応温度、支持電解質の種類と量、電解電位などの反応条件を検討することによる収率向上を目指す。さらに、置換基Yにキラール補助基を用いてジアステレオ選択的不斉誘導および、N-エチルキニーネニウムトシレートなどのキラール支持電解質を用いるエナンチオ選択的な不斉誘導をを検討する。 次に、反応性金属陽極として金属亜鉛を陽陰極に備えた無隔膜電解セル中にて、脂肪族アルデヒドの存在下トリクロ口酢酸エステルを電解すれば、還元的クロス-カップリング反応が起こり対応する(Z)-クロログリシジルエステルだけが立体選択的に効率よく得られた。 今後の問題点としては、カルボニル化合物の種類に制限があるので、種々反応条件等の検討により、一般性の拡大を図る。 また、キラールなトリクロロ酢酸エステルや対応するアミドを用いるジアステレオ選択的不斉誘導および、N-エチルキニーネニウムトシレート等のキラール支持電解質を用いるエナンチオ選択的な不斉誘導をを検討する。
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