研究課題/領域番号 |
10209201
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
梁 成吉 筑波大学, 物理学系, 教授 (70201118)
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研究分担者 |
伊藤 克司 東京工業大学, 理学部, 助教授 (60221769)
佐藤 勇二 筑波大学, 物理学系, 助手 (50312799)
毛利 健司 筑波大学, 物理学系, 助手 (90302348)
中津 了勇 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10281502)
太田 信義 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90167304)
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キーワード | 超対称性 / 弦理論 / Dブレイン / カラビ・ヤウ多様体 / 非可換時空 / Ads / CFT対応 |
研究概要 |
1.毛利と梁は、局所ミラー対称性から得られる微分方程式を解くことにより、Calabi-Yau多様体内のdel Pezzo曲面に局在するDブレインと、特殊な非コンパクトオービフォールド上のDブレインの中心電荷のKahlerモジュライ依存性及び、確定特異点周りのモノドロミーを求めた。その結果、この模型のGromov-Witten不変量の漸近的振る舞いはある種のゼータ関数の特殊値で決定されることを見出した。さらに、曲面上のDブレインと代数的連接層の対応関係を求め、ストリング接合とdel Pezzo曲面のDブレインとの双対性を示した。 2.佐藤は経路積分を直接実行することにより、AdS_3中の弦理論におけるプライマリー場の2点、3点関数を厳密に計算した。また、経路積分におけるゼロモードを正しく扱うことで、これらの計算が自由場の計算に帰着して簡便に実行できること、さらにある種の4点関数が求められること、を示した。 3.Calabi-Yau多様体上にコンパクト化した超弦理論において、Calabi-Yau多様体がADE型に退化した場合,この理論は一般に高次元の相互作用をする共形場理論を記述していると考えられている。伊藤は、時空の対称性が明白なHybrid超弦理論の方法を用いて、対応する高次元超共形場理論を調べた。特に退化した4次元Calabi-Yau多様体の場合に、共形場理論の超共形代数の構造を詳しく調べた。 4.超弦理論の解として現れるプレインは、重力場による記述と場の理論による記述が可能で、AdS/CFT対応と呼ばれている。中津は、この対応の下で、3次元ブラックホールのミクロ状態のスペクトルを2次元超共形場理論を用いて解析した。太田は、この対応を用いて、非可換時空における場の理論の種々の非摂動的性質や、可能ないろいろな非可換理論の相互の関係を明らかにした。非可換時空の解析は重力の量子論的性質を調べる際には重要であり、この解析はその方面にも役立つものと期待している。
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