研究課題/領域番号 |
10209203
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
江口 徹 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (20151970)
|
研究分担者 |
川野 輝彦 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (20292831)
菅原 祐二 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (70291333)
松尾 泰 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (50202320)
|
キーワード | 超対称性 / 超弦理論 / Dブレイン / 双対性 / ADS空間 / 非可換ソリトン / カラビーヤウ多様体 / 開弦場の理論 |
研究概要 |
江口は菅野と共に,超対称を持つM^4×S^1上の5次元ゲージ理論を調べその低エネルギー有効理論のプレポテンシャルFがF_2上のカノニカル束にコンパクト化されたタイプII型弦理論の振幅から厳密に決定される事を示した。また、Getzler、Xiongと共にプライマリー場を二つ持つ位相的弦理論を調べジーナスが2の分配関数を完全に決定した。江口と菅原はA-D-E型の特異性を持つカラビーヤウ多様体上の弦理論を調べ,この系がN=2超対称を持つリュービル理論とN=2ミニマル模型を用いて、リュービル理論の宇宙項の摂動でカラビーヤウ多様体の特異性が解消されることを示した。松尾は弦の場の理論を記述していると考えられている行列弦模型を開弦に拡張し、全境界条件を足しあげによって開弦と閉弦の1ループ振幅のモデュライ積分を再現することを確かめた。また非可換空間におけるソリトンのK理論を用いた解釈を行い幾何学的な電荷をどう同定すべきか議論した。また非可換なトーラス上のソリトンを構成し一種の不安定性があることを指摘した。さらに高次元における非可換幾何学をブレインを用いて議論した。菅原は、疋田、細道とともにAdS_3上の弦理論を、Liouville理論的な自由場表示を用いて、AdS_3/CFT_2対応から期待される高い(space-timeの意味での)R-chargeを持ったカイラル・プライマリーが自然に構成できることを示した。また、疋田、野崎とともに、SU(2)WZW模型におけるD-braneの研究を行った。特にfuzzy sphereに対応した非可換なD0-braneの配位が、large k limitのもとでは、spherical D2-braneを記述するCardy stateに帰着することを示した。川野は、高橋とともに、反対称テンソル場(B場)が背景場に入っている時空での浅川-九後-高橋の開閉混合弦の場の理論が、非可換空間上のものと可換空間上のものの二種類作れ、それらは変数変換によって同等になっていることを示した。また、寺嶋ととも、OM理論のトーラス上のコンパクト化を系統的に調べ、そのT-双灯性を明らかにし、2次元のトーラス上の理論が4次元における非可換開弦理論と非可換超対称ヤン-ミルズ理論とのS-双対性を与えることを示した。
|