超弦理論の最近の発展によれば、我々の世界が10次元的空間内の4次元のBrane上にある可能性がある。このBrane Worldシナリオは、超対称性を破る場がわれわれのBrane以外の空間的に離れた他のBrane上にあると思われる。これは、超対称理論におけるフレーバー問題を見事に解決するため興味深い考えだと思われる。平成12年度では、我々は上記の超対称性の破れを我々のBrane上の場に伝えるメカニズムを提案した。またBrane Worldシナリオでは、部分的にN=2超対称性が存在している場合がありえる。我々はこのN=2超対称性が自然にN=1超重力理論で見つかっているhybridインフレーションモデルを生み出すことを発見した。また、現在は、Brane Worldシナリオに基づいた素粒子の統一理論を作っている。この理論によれば、大統一理論の困難の一つであるdoublet-tripletのヒッグスの質量の問題が見事に解決できる。さらにこの理論は、D3-D7 BraneをもつIIBタイプの超弦理論に拡張される。
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