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2001 年度 実績報告書

超対称性と宇宙論

研究課題

研究課題/領域番号 10209206
研究機関東京大学

研究代表者

川崎 雅裕  東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (50202031)

研究分担者 横山 順一  大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50212303)
キーワードインフレーション / 超重力理論 / 素粒子的宇宙論
研究概要

今年度は超対称性インフレーション宇宙において非常に効率よくバリオン数を作ることができるアフレック・ダイン機構におけるQボール生成に関する詳しい研究を行った。まず、大規模な数値シミュレーションを行いアフレック・ダイン機構において実際に非常に大きなバリオン数をもったQボールが生成されることを示した。しかも、アフレック・ダイン機構で生成されたバリオン数がほとんど全てQボールに取り込まれることが分かった。このことは、もし、Qボールが安定であればバリオン数はQボールに閉じこめられ我々に「見えない」という問題が起こる。しかし、宇宙初期では周りの熱プラズマとの相互作用でQボールの1部が蒸発しバリオン数を放出する。この放出されたバリオン数が最終的に核子(バリオン)となって現在星などを作っているバリオンの量を説明するのである。さらに、蒸発で残ったQボールは安定であるため宇宙の暗黒物質を説明できる可能性がある。このシナリオに基づいて、詳しい解析を行いアフレック・ダイン機構がQボールの存在によって宇宙のバリオン数を説明できるか、Qボールが暗黒物質になり得るかを調べ、理論パラメター空間に対する厳しい制限を求めた。(川崎)
宇宙定数が真空ではゼロになるという仮定の下、観測されているわずかな量の宇宙定数は理論が摂動論的には縮退した真空構造を持ち、それが量子的なトンネル効果を考慮した場合、摂動論的な真空は安定ではなくよりエネルギーの低い真空に遷移する。この場合、我々がエネルギーがほんの少し高い摂動論的な真空の1つにいて、真の真空への遷移確率が小さければ観測されている宇宙定数が説明できる。このことを非可換ゲージ理論を例に具体的に示した。(横山)

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] A.A.Starobinsk, S.Tsujikawa, J.Yokoyama: "Cosmological perturbations from multi-field inflation in generalized Einstein theories"Nuclear Physics B. 610. 383-410 (2001)

  • [文献書誌] J.Yokoyama, S.Inoue: "Curvature perturbation at the local extremum of the inflaton's potential"Physics Letters B. 524. 15-20 (2002)

  • [文献書誌] J.Yokoyama: "After bulky brane inflation"Physical Review D. 64. 083511-083514 (2001)

  • [文献書誌] M.Kawasaki, F.Takahashi: "Adiabatic and isocurvature fluctuations of Affleck-Dine field in D-term inflation model"Physical Letters B. 516. 388-394 (2001)

  • [文献書誌] S.Kasuya, M.Kawasaki: "Q-ball formation : Obstacle to Affleck-Dine baryogenesis in the gauge-mediated SUSY breaking?"Physical Review D. 64. 123515-123527 (2001)

  • [文献書誌] S.Kasuya, M.Kawasaki, F.Takahashi: "Moduli Problem and Baryogenesis in Gauge-mediated SUSY breaking models"Physical Review D. 65. 063509-063512 (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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