研究課題/領域番号 |
10210201
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
井上 久遠 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (30021934)
|
研究分担者 |
淺川 潔 民間技術組合, フェムト秒テクノロジー研究機構, 主任研究員
川俣 純 北海道大学, 電子科学研究所, 助手 (40214689)
山中 明生 北海道大学, 電子科学研究所, 助手 (30182570)
|
キーワード | フォトニック結晶 / フォトニックバンドギャップ / 光と物質の相互作用 / 光の伝播特性制御 / フォトニックバンド構造 / 輻射場の制御 / 光の局在 / 量子電気力学 |
研究概要 |
1. 半導体微細加工技術を駆使して、半導体材料による、2次元並びに3次元フォトニック結晶の作製に着手した。2次元結晶に関しては、GaAsをコア層に、GaAlAsを上下のキャップ層にしたタイプのエアロッド型およびピラー型の双方の試料を、理論計算等により設計し、高性能の装置を用いた電子ビームパターニングと塩素を用いたドライエッチング法により作製した。作製試料のエアロッドあるいはピラーのアスペクト比は、現在のところ3〜4程度のものであるが、10程度の試料作製を目指している。なお、格子定数、第一フォトニックバンドギャップのエネルギー位置の異なるいくつかの結晶の作製の他に、ギャップ中に局在モードをもつ試料の作製にもチャレンジしている。現在、作製した試料の特性測定、評価を行うためのシステムを建設して、予備測定を開始した。 2. 完全バンドギャップをもち、作製が比較的容易と考えられる3次元フォトニック結晶構造を提案していたが、この単純立方格子試料の設計を終えると同時に、多くの専門家との討議を経て、具体的に作製が可能な方法を見出した。第一段階として、不完全ギャップを有する類似結晶の作製に着手している。 3. 鉛ガラスファイバーを用いて作製した既製の2次元エアロッド型フォトニック結晶を用いて、2次元フォトニック格子の特性を反映した新しいタイプのレーザー作用を初めて観測し、その機構を解明した。すなわち、群速度が小さいバンド、並びに2次元格子特有のQ値の高い非結合モードのそれぞれでレーザー作用が生じることを明らかにした。
|