研究課題/領域番号 |
10210201
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研究種目 |
特定領域研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
井上 久遠 北海道大学, 電子科学研究所, 名誉教授 (30021934)
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研究分担者 |
浅川 潔 技術研究組合フェムト秒テクノロジー研究機構, 主任研究員
川俣 純 北海道大学, 電子科学研究所, 助手 (40214689)
岩井 俊昭 北海道大学, 電子科学研究所, 助教授 (80183193)
山中 明生 北海道大学, 電子科学研究所, 助手 (30182570)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2001
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キーワード | フォトニック結晶 / フォトニックバンド構造 / 線欠陥モード / レーザー作用 / 群速度 / コロイドエピタキシー法 / フォトニック結晶導波路 / 光集積回路 |
研究概要 |
1.試料の開発と特性の解明:バルクのフォトニック結晶(PC)としては、1)2次元エアロッド型PC、2)2次元スラブ型(準3次元)PC,3)3次元配列球PCを、さらに、欠陥モードをもつPCとしては、4)スラブ型PCに線欠陥を導入した種々の試料を開発・作製し、それぞれの光学特性を解明した。1,2,3)は、配列した鉛ガラス・ファイバーを引き伸ばした後にコアを溶かす方法、コア層がAlGaAsの誘電体導波路をベースにして最新の半導体微細加工技術を駆使して作製する方法、および、レーザー放射圧と自己集積現象を併用して配列させる方法によりそれぞれ作製した。1)に関しては光、近赤外領域にギャップをもつ世界最初の2次元PCであること、2)に関しては、応用上重要なスラブ型PCで導波モードの特定し、またバンドギャップが存在する事実を世界最初に実証した。 2.相互作用の解明:1)サブピコ秒の光パルスの飛行時間測定法により、バンド端に近づくと共に群速度が小さくなる事実、および空気中の値に比べて20分の一程度の小さな値が得られる事実を明らかにした。2)2次元フォトニック結晶でレーザー作用を世界で最初に観測した。これは、小さな群速度により光とPCとの実質的な相互作用長が大きくなって生じた現象である。3)2次元PCを用いて、PCの顕著なバンド分散により光第二高調波発生現象で位相整合条件が多くの波長で容易に満たされる事実を実証した。4)上記の線欠陥モードを利用するPC導波路が優れた導波特性を示す事実を種々の素子を作製し、また白色光源を用いる画期的な測定方法を開発して実証した。すなわち、ほとんど損失なく伝搬する直線および急激な曲げ、さらにY-分岐、方向性結合器、などについて解明し、将来の超高速・平面光集積回路の開発の基盤を構築した。
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