研究概要 |
1.フォトニック結晶を舞台にしたレーザー発振のしきい値に対して、2次元結晶についてグリーン関数法による解析的な取扱を行い,数値計算との一致が良い解析的なしきい値の表式を与えることに成功した。またフォトニック結晶の次元の違いが光の閉じ込めの違いにあらわれ、2、3次元系が有利であることを示した。またバンドの重なりがある周波数領域では、レーザー発振のしきい値が異常に小さくなる現象を見いだした。 2.有限寿命の、バンドの状態密度や、分散関係や、寿命の精密な計算方法を光応答のデータから計算する方法を確立した。またその方法を用いて、真空中にある1層の2次元周期配列球に対する光の透過と反射の実験結果を解析し良い一致を見た。 3.時間領域差分法(FDTD法)を基礎とする双極子輻射の方法を確立して、スラブ型フォトニック結晶についてバンド構造,透過スペクトル,局在モード,および,減衰定数を算出するためのプログラミングを行い,ほぼ完了した。 4.フォトニック結晶の近くを高速で走る荷電粒子によって励起されるSmith-Purcell放射にフォトニックバンドを励起する共鳴を取り込んだ計算が進行中である。 5.光子場を量子化して、直交位相成分のスクイージングをグリーン関数法によって解析して、誘導放出の場合と同様,群速度の逆数に比例する増強効果をしめした。 6.フォトニック結晶の構造単位を外力によって揺さぶりながら光の透過と反射のスペクトルを計算して、外界からの振動の周期と、位相が適当な条件を満たすと、パラメトリック増幅が起こることを示した。
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