研究概要 |
電磁力を用いた流速センサーとして,二つの方式を取り上げ,研究を開始している.以下,その概要について述べる. (1) ホール素子を用いたカルマン渦流速計 溶融金属の流れの中に,表面から円柱を浸漬すると,円柱背後にカルマン渦が放出される.この放出周波数fは円柱の直径dに逆比例し,流速vに比例する.筆者らは前に,渦放出に伴って振動する円柱の歪みを歪みゲージで捕らえ,高速フーリ工変換を施すことによって,fひいてはvを求める方式を開発した.本研究では,歪みゲージの代わりにホール素子を用いてfの検出を行い,歪みゲージよりも安価で精度の良いシステム開発の目途を得た. (2) 電磁力を利用した流速計 溶融金属の自由表面から内部に磁場を与えたとき,溶融金属が速度vで動けばこれに対応した誘導起電力が生じる.したがって,この起電力を検知すれば,vが求まる.理論上は可能であるが,実際には自由表面に波動があるとvを求めることは極めて難しくなる.現在,ウッドメタルを用いた流れ発生装置と流速計の試作品を作製し,実験を開始したところである.
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