研究概要 |
超伝度磁石により発生させた強磁場を物質に印加することによって,物質が有する磁気異方性に基づいて凝固過程,電析,気相蒸着,固相反応の各過程で生成する晶出物,堆積物が磁化力によって結晶配向される機構解明を通じて,配尚の制御原理の解明と凝固過程での磁気分離の可能性を研究した結果,以下の知見を得た. I 凝固過程: Fe-C,Al-Si,Al-Si-Fe-Mn,Mn-Bi合金を用いて凝固過程に及ぼす磁場印加の効果を調べた.母液と晶出物との磁化率の差による分離効果が見られ,強磁場印加による高温環境の下での磁気分離の可能性を見出すとともに鉄鋼業におけるアルミナ介在物除去についてフィジビリティー・スタディーを行った.また,Fe-C,Al-Si,Al-Si-Fe-Mn,Mn-Bi各系の融点以上における磁化率の測定を行い磁気分離のためのデータを得た.(論文投稿準備中) II 電析過程:亜鉛の電析過程に強磁場を印加することによって,電析物の結晶配向を制御できることがわかった.(論文投稿中,国有特許申請中) III 蒸着過程:YAGレーザ照射により蒸発させたZnとBiとDyの蒸着過程に強磁場を印加した結果,磁気異方性に伴う配向を見出すとともに理論解析を行った.(論文投稿準備中) IV 気相反応過程:PAN系繊維の緊縮黒鉛化過程に磁場印加を行うと,繊維強化に繋がる繊維構造になんらかの影響が見られることを明らかにした.(論文投稿準備中)
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