• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1999 年度 実績報告書

分子遺伝学的手法による新規情報交換酵素ホスホリパーゼD(PLD)の機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 10212204
研究機関(財)応用生化学研究所

研究代表者

野沢 義則  財団法人 応用生化学研究所, 部長 (10021362)

研究分担者 中島 茂  岐阜大学, 医学部, 教授 (60188935)
田中 雅嗣  財団法人 応用生化学研究所, 部長 (60155166)
赤尾 幸博  財団法人 応用生化学研究所, 部長 (00222505)
坂野 喜子  岐阜大学, 医学部, 助教授 (50116852)
キーワードホスホリパーゼD / 遺伝子導入 / 細胞機能解析 / 情報変換酵素
研究概要

ホスホリパーゼD(PLD)には2種類のアイソフォーム(PLD1,PLD2)の遺伝子がクローニングされており、それぞれの活性調節機構、細胞内局在、細胞機能との関与において異なっていることが示唆されているが、詳細には明らかにされていない。PLDアイソフォームの細胞内局在性についてそれぞれの特異的抗体を用いて検討したところ、PLD2がカベオラーに存在し、カベオリンによって活性調節されることをLiscovichらとの共同研究で明らかにした。また、ヒト腎臓癌組織ではPLD2が特異的に上昇していることを観察し、PLD2が細胞増殖に関与していることを示唆した。NIH3T3細胞ではブラジキニン(BK)とスフィンゴシン1-リン酸(S1P)刺激によるPLDの活性化が起こるが、それぞれの活性化機構は異なり、BK刺激ではPLCの下流でPLD1が活性化されるが、S1P刺激ではPLD2の関与が示された。S1-P受容体(EDG)の過剰発現CHO細胞では、S1P刺激によりMAPキナーゼやPI3K/AKTキナーゼなどの生のシグナル伝達経路にPLD活性化が関与することが示唆された。また、BKやS1P刺激によるストレスファイバー形成やラフリング膜形成におけるPLDの関与が1-ブタノールによる特異的阻害により示唆された。
C.elegansから1427個のアミノ酸をコードするPLDのcDNAをクローニングした。COS-7細胞に発現させたC.elegansPLDは哺乳動物細胞のPLD2に類似した性状を示した。PLDの機能を明らかにするために、GFP融合PLD遺伝子を導入し発現部位を検討したところ、咽頭筋と神経細胞の一部に強い発現が認められた。また、PLD欠損体を作製して、発生、成長、形態への影響を検討したところ、卵成長に影響が認められた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Ohguchi, K. et al.: "Phospholipase D development during differentiation of human promyelocytic leukemic HL60 cells"Biochim. Biophys. Acta.. 1439. 215-227 (1999)

  • [文献書誌] Banno, Y. et al.: "Differential phospholipase D activation by bradykinin and sphingosine 1-phosphate in NIH 3T3 fibroblasts overexpressing gelsolin"J. Biol. Chem.. 274. 27385-27391 (1999)

  • [文献書誌] Nakamura, Y. et al.: "Stimulatory effect of cytocharasin D on antigen-induced phospholipase D activation in a murine mast cell model(RBL-2H3)"Allergol. Intern.. 84. 239-245 (1999)

  • [文献書誌] Tan, Z. et al.: "Effects of local anesthetics on phospholipase D activity in differentiated human promyelocytic leukemic HL60 cells"Biochim. Pharmacol.. 58. 1881-1889 (1999)

  • [文献書誌] Kumada, H. et al.: "Hydrogen peroxide-induced phospholipase D activation in human vascular smooth muscle cells"Biomed. Res.. 20. 87-98 (1999)

  • [文献書誌] Czarny, M. et al.: "Phospholipase D2 : functional interaction with caveolin in low-density membrane microdomains"FEBS Lett.. 467. 326-332 (2000)

URL: 

公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi