研究概要 |
ヒトホスファチジン酸ホスファターゼ-2b(PAP-2b)を一過性発現させたHEK293細胞を用いて、PAP-2bが細胞外の基質を分解するエクト型酵素であることを証明した。この酵素は膜中の長鎖ホスファチジン酸を分解できない特性を持つ。PAP-2bは、Triton-X-100不溶性で、非カベオラ性のラフトに存在するが、PAP-2aはTriton可溶性である。しかし、PAP-2aもCHAPSなどほかのdetergentに対しては不溶性であり、2bとは別の表面膜ミクロドメインに存在することが分かった。現在2bと2aのキメラ分子をNIH3T3に発現させ、Triton不溶性をおこすドメインを特定中である。PAP-2a,PAP-2bの安定発現MDCK細胞を確立して解析中である。極性を示すMDCK細胞では、2aは細胞先端(apical surface)に、また2bは細胞基底部(basolateral surface)に明確に分離して存在する新しい知見を得た。2a,2bは異なった細胞表面ミクロドメインに分離して存在しており、両者の分化した機能を強く示唆する結果を得ている。
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