研究概要 |
ヒトPAP-2aはTritonX-100可溶性であるが、CHAPS不溶性のラフトに存在することが分かった。一方、PAP-2bはTritonX-100不溶性であり、約50%がカベオラに存在する。2種のPAPのGolgi体から表面膜への輸送過程を検討した結果、2a,2b両者を含む小胞と、2bのみを含む小胞が観察された。2a,2bの小胞輸送系に相違があることを示している。ドメインスワッピングの結果、2bの最初の細胞外ループがTritonX-100不溶性のために必須であることが分かった。 2a,2b両者を安定発現するMDCK細胞株を樹立し、発現した酵素の細胞内局在性を調べた。PAP-2aの90%がapicalドメインに、またPAP-2bの70%がbasolateral側に、それぞれ分離して分布していた。ドメインスワッピング実験の結果、PAP-2aのapicalシグナルはF(2)DKTRL(7)のN端6残基と確定した。この配列はPDZ-結合配列であるが、タンパクのN-端に存在する初めての例である。一方、PAP-2bのbasolateralシグナルは第一番目の細胞側ループに存在するtyrosine-rich motifであることを確認できた。
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