研究課題/領域番号 |
10213202
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
馬渕 一誠 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (40012520)
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研究分担者 |
中野 賢太郎 東京大学, 大学院・総合文化研究所, 助手 (50302815)
藤本 宏隆 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (90300722)
枝松 正樹 東京大学, 大学院・総合文化研究所, 助手 (60251328)
足立 博之 東京大学, 大学院・総合文化研究所, 助手 (00211699)
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キーワード | 細胞質分裂 / 収縮環 / アクチン / ミオシン / Rho |
研究概要 |
1. 細胞質分裂シグナル伝達: 分裂酵母の5種類のRhoについて解析し、これらが細胞分裂面に集積することが分かった。現在Rho1、及びRho3の結合蛋白質の同定を行っている。また、Rhoの活性制御遺伝子を同定し解析を進めている。ウニ卵においてもRhoが分裂溝に濃縮されることを明らかにした。またCdc42に結合する数種のタンパク質を見い出した。細胞性粘菌のGAPAが初期から分裂溝に局在することを見いだした。GAPA結合タンパク質の検索を行ない、GAPAがRac1AとRac1Bに弱く結合するデータを得た。また細胞性粘菌由来の組換タンパク質を大量に確実に得るために、昆虫細胞-バキュロウイルス系の立ち上げを開始した。 2. 収縮環の形成機構: シグナルのアクチンへの伝達を行なう候補として分裂酵母の数種類のアクチン調節遺伝子を同定した。このうちadf1+が細胞増殖に必須であることが分かった。特に収縮環の形成にAdflが極めて重要な働きをしていることが認められた。ミオシンに関してはmyo2変巽myo3△株を作製し、ミオシンが収縮環形成に必須であることを確認した。今後、軽鎖結合部位欠失重鎖の発現による分裂への影響を調べる。 3. 分裂溝の構成成分、収縮環の微細構造: ウニ卵単離分裂溝の構成成分と考えられるEFlβの細胞内注入を行ない、分裂阻害の結果を出しつつある。分裂酵母の電顕観察でアクチンケーブルと思われる繊維を初めて確認した。 4.分裂酵母の分裂面決定シグナルの研究: 分裂酵母の分裂開始シグナルを赤道面に正確に伝達する機構に関与すると考えられるPoslがアクチンと結合することが分かった。一方、posl変異のsuppressorの存在が確認されてきたので現在、その同定を行なっている。
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