研究課題/領域番号 |
10213204
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
木下 専 京都大学, 医学研究科, 助手 (30273460)
|
研究分担者 |
野田 亮 京都大学, 医学研究科, 教授 (30146708)
|
キーワード | 細胞骨格 / GTPアーゼ / アクチンストレスファイバー / 細胞質分裂 / 分泌 / エクソサイトーシス / シナプス小胞 |
研究概要 |
本研究班では細胞質分裂において重要な機能を有するGTPアーゼ型構造蛋白ファミリーであるセプチンの機能解析を目的として、細胞および個体レベルにおける研究を開始した。 セプチンは真核生物において構造的・機能的に保存されているが、分子進化によって多様性を獲得し、高等動物においてはより複雑な発現調節や機能を有することが判明した。データベース上に確認された8種類のヒト/マウスセプチンのうち、7種類に対するcDNAを入手し、6種類に対する特異抗体を作成した。このうち4種類のセプチンが細胞質分裂において娘細胞間のミッドボディ構造に局在することを見出し、セプチン複合体が細胞質分裂に関与する可能性を示した。また、アクチンストレスファイバーに特定のセプチン複合体が集積する事実に注目し、アクチン系とセプチン複合体との機能的相互作用を検討した(以上投稿準備中)。ここで得られた知識や試料を収縮輪のアクチン・セプチン系の解析に効果的に応用していくことが今後の目標である。 セプチンのうち、蛋白レベルで検討できた6種類はそれぞれ特徴的な空間的発現パターンを示すが、これらはいずれも成熟マウス脳において発現していることがわかった。興味深いことに、多くは神経細胞軸索末端のシナプス小胞周囲に局在するが、H5はアクチン系の発達により運動性の高いことが知られているアストロサイトの終末足に特に多いことを見出した。そこでこの部位において機能的重複の可能性が低いと期待されるH5遺伝子を破壊したマウスの作成と解析に着手した。既にマウスH5ゲノムDNAを含むBACクローンを単離し、ジーンターゲティングベクター作成のため、サブクローニングおよびエクソン・イントロン構造の解析を行っている。
|