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1999 年度 実績報告書

ミクログリアによるシナプス機能の調節

研究課題

研究課題/領域番号 10214205
研究機関国立精神・神経センター

研究代表者

高坂 新一  国立精神・神経センター, 神経研究所・代謝研究部, 部長 (50112686)

研究分担者 赤澤 智宏  国立精神・神経センター, 神経研究所・代謝研究部, 室長 (80291160)
今井 嘉紀  国立精神・神経センター, 神経研究所・代謝研究部, 室長 (20270689)
キーワードミクログリア / ATP / ラッフリング運動 / 遊走性 / ATP受容体 / P2Y受容体 / Rac
研究概要

神経終末部位あるいはアストロサイトから放出されることが知られているATPがシナプス近傍に存在するミクログリアに対する影響を検討し、昨年度はATPがP2X7型ATP受容体を介しミクログリアからのプラスミノーゲンの放出を促進することを報告した。本年度は更に、ATPのミクログリアへの作用を検討した結果、ATPがミクログリアのラッフリング運動及び遊走性を著明に亢進することを見出した。この効果は細胞外液のカルシウムを除去しても認められることから、G蛋白共役型のP2Y受容体を介したものであると推測された。これまでクローニングされているか、あるいは薬理学的に存在が確認されている多くのP2Y受容体のうち、どの受容体を介しているかを種々のアゴニスト、アンタゴニスト、百日咳毒素を用い検討した結果、いずれの受容体にも該当せず、Gi/o共役型の新規のP2Y受容体を介したものであることが示唆された。更に、このP2Y受容体からラッフリング運動に至るシグナル伝達につき解析した結果、単量体G蛋白であるRacの活性化が引き起こされていることも示された。
これらのミクログリアの反応がシナプス伝達の修飾にいかなる役割を担っているかは今後の検討すべき課題である。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Shimojo, M.: "Neuroprotective action of a novel compound-M50463-in primary cultured neurons"Brain Res.. 815. 131-139 (1999)

  • [文献書誌] Kamitori, K.: "Expression of receptor tyrosine kinase RYK in developing rat central nervous system"Dev. Brain Res.. 114. 149-160 (1999)

  • [文献書誌] Ohsawa, I.: "Amino-terminal region of secreted form of amyloid precursor protein stimulates proliferation of neural stem cells"Eur. J. Neurosci.. 141. 1-7 (1999)

  • [文献書誌] Honda, S.: "Rat primary cultured microglial express glial cell line-derived neurotrophic factor(GDNF) receptors"Neurosci. Lett.. 275. 203-206 (1999)

  • [文献書誌] Mizuno, T.: "Neuronal adhesion molecule telencephalin induces rapid cell spreading of microglia"Brain Res.. 849. 58-66 (1999)

  • [文献書誌] Fernando L.-Redondo: "Glutamate transporter GLT-1 is highly expressed in activated microglia following facial nerve axotomy"Mol. Brain Res.. (in press). (2000)

  • [文献書誌] 中嶋一行: "脳と神経 分子神経生物化学入門"共立出版(株). 363 (1999)

  • [文献書誌] 中嶋一行: "免疫学から見た神経系と神経疾患"(株)日本医学館. 374 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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