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2000 年度 実績報告書

グリア型グルタミン酸作用性分子によるシナプス機能の調節

研究課題

研究課題/領域番号 10214206
研究機関国立精神・神経センター

研究代表者

和田 圭司  国立精神・神経センター, 神経研究所・疾病研究第4部, 部長 (70250222)

研究分担者 関口 正幸  国立精神・神経センター, 神経研究所・疾病研究第4部, 室長 (80260339)
キーワードグリア / 光変性 / ラット / 網膜 / 神経栄養因子 / trkC / p75 / 神経細胞死
研究概要

本年度はニューロン・グリアの相互作用をラット光変性網膜を用いて解析した。その結果、光変性時に神経栄養因子受容体のうちtrkCとp75の発現が特異的に増加することを見いだした。免疫組織学的解析からその増加は主にミュラー細胞で認められることを見いだした。ミュラー細胞はダリアの一種であり網膜全層に突起が伸展しているが興味深いことにtrkCの発現増加は内網状層で、p75の発現増加は外顆粒層で認められた。つまりtrkCとp75は光変性時異なった細胞内分布を示した。さらに、trkの情報伝達系をK252aで遮断した場合視細胞死が増加し、逆にREX抗体でp75の経路を遮断した場合、視細胞死が抑制されることをin vivoで見いだした。つまり、trkCは光変性に抑制的に、p75は光変性に促進的に作用する可能性が示された。しかもREX抗体処理により形態だけでなく機能的にも網膜が改善することが網膜電位図の記録から示された。また、同様なin vivo実験でK252a、並びにREX処理によって視細胞生存作用のあるbFGFの産性がそれぞれ、減少、増加することを見いだした。同様な傾向は培養ミュラー細胞を用いたin vitro実験でも示された。また、p75遺伝子欠損マウスを用いた実験で光変性時の視細胞死が野生型マウスに比べ減少することを見いだした。
以上の結果は光変性におけるミュラーグリア・視細胞相互作用の存在を示すもので、グリアを標的にした神経細胞死治療という全く新しい治療法の開発が展望できるようになった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Harada,T., et al.: "Modification of glial-neuronal cell interactions prevents photoreceptor-"Neuron. 533-541 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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