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1999 年度 実績報告書

小胞輸送とゴルジ装置形成の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 10215207
研究機関福岡大学

研究代表者

池原 征夫  福岡大学, 医学部, 教授 (70037612)

研究分担者 中村 暢宏  金沢大学, がん研究所, 助教授 (50294955)
三角 佳生  福岡大学, 医学部, 助教授 (10148877)
キーワード小胞輸送 / ゴルジ装置形成機構 / ゴルジ局在蛋白質 / Giantin(GCP372) / GCP60 / マトリックス蛋白質GM130 / Golgin97
研究概要

1)ゴルジ体形成に関するタンパク質GCP60の同定とその解析:
これまでの研究で、Giantin(GCP372)は小胞接着因子p115およびマトリクスタンパク質GM130を介して小胞輸送に関与していることを明らかにした。今年度はさらに、Giantinのゴルジ体の重層構造の形成にも関与している知見を得た。Giantinのゴルジ局在領域と特異的に結合するタンパク質を酵母two-hybridスクリーニング法で検索した結果、分子量60kDaのタンパク質(GCP60)を同定した。各種解析の結果、GCP60は中央部にコイルド-コイル構造を持つタンパク質で、哺乳動物のすべての組織に発現していた。本タンパク質はゴルジ体に局在するが膜タンパク質ではない。各種クロマトグラフィーにかけると、Giantin,GM130,p230およびGRASP65などのゴルジ体に局在するタンパク質と挙動を共にすることから、GCP60はこれらのタンパク質と結合していることが示唆される。また、GCP60のC末端側1/2領域を遺伝子導入によって細胞に過剰発現すると、ゴルジ体は解体し、細胞質に分散した。しかし、N末端側1/2領域の過剰発現ではこの効果は見られなかった。以上の結果から、GCP60はゴルジ膜タンパク質およびマトリックスタンパク質と相互作用し、ゴルジ体の構造形成に関与していることが示唆される。
2)GM130及びGolgin97のゴルジ体への局在化様式の解析:
培養細胞を用いた小胞体-ゴルジ体間輸送の解析、試験館内転写・翻訳系を用いたゴルジ膜への組み込み実験などによって、GM130は細胞質で合成された後、速やかにかつ直接ゴルジ体に局在するようになることを明らかにした。一方、トランス・ゴルジに局在し、GM130と非常に類似した構造をとるGolgin97にも着目し、cDNAのクローニング、抗体の作成によって、その局在を解析した。Golgin97はゴルジ膜に緩やかに結合する表在性のタンパク質であり、分子のC末端部分がゴルジ膜への局在化に必要であることを明らかにした。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] H.Tsujioka,n.Takami,Y.Misumi,& Y,Ikehara: "Intracellular cleavage of glycosylphosphatidy inositol by phospholipase D induces activation of ptotein kinase Ca"Biochemical Journal. 242,2. 449-455 (1999)

  • [文献書誌] H.Takeuchi et al.: "Membrane association of a new inositol-1,4,5-trisphosphate binding protein,p130,is not dependent on the pleckstrin..."Chem.Physics.lipids. 98. 35-47 (1999)

  • [文献書誌] K.Tateishi et al.: "Molecular cloning and expression of rat antisecretory factor and its intracellular localization"Biochem.Cell Biol.. 77. 223-228 (1999)

  • [文献書誌] N.Izumi et al.: "Ultrastructural alteration of osteoclasts treated with brefeldin A and wortmannin"Acta Hitochem.Crtochem.. 32,5. 393-405 (1999)

  • [文献書誌] 三角佳生、池原征夫: "小胞体-ゴルジ体間輸送とゴルジ体形成"実験医学. 17,18. 118-123 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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