研究課題/領域番号 |
10215208
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研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
吉森 保 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助教授 (60191649)
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研究分担者 |
堀内 久徳 京都大学, 医学研究所, 助手 (90291426)
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キーワード | エンドソーム / 小胞輸送 / AAA型ATPase / GFP / 受容体再循環 / Rab蛋白質 / Aab5 overlay法 / Aab5結合蛋白質 |
研究概要 |
本年度は、研究計画のうちエンドソームに固有の輸送機能素子の解析を集中的に行った。1) SKD1の解析(吉森):マウスのAAA型ATPase・SKD1は、酵母のエンドソームを介した輸送に関わるVps4pと高い相同性を有することから、エンドソーム輸送の機能素子である可能性がある。そこで優性阻害能が期待される点突然変異をSKD1遺伝子に導入し、かつ緑色蛍光蛋白質(GFP)を融合したもの(GFP-SKD1E235Q)を動物培養細胞に強制発現させ、共焦点レーザー走査型顕微鏡を用いた多重蛍光観察を中心とした詳細な解析を行った。その結果SKD1E235Qの過剰発現は、初期エンドソームの形態と分布の異常及びそこからのトランスフェリン受容体の再循環などの輸送機能に対する特異的な阻害を引き起こすことが判明した。従って、SKD1が初期エンドソームに一過性に結合し、そこでの選別輸送に重要な役割を果たしていると結論した。 2) Rab5結合蛋白質の同定(堀内):これまで、初期エンドソームに局在し、初期エンドソームにおける膜融合を制御するGTP結合蛋白質Rab5に結合するタンパク質を、Rab5 overlay法を用いて数個同定し、解析してきた。本年は同法で、請製途中にあったタンパク質の同定、解析を試みた。ウシ脳細胞質画分より、精製途中にあったタンパク質p50を精製し、部分アミノ酸配列を決定したところ、GFAPという既知のタンパク質と一致した。しかし、抗GFAP抗体等を用いた解析ではこれまでのところ、このタンパク質とRab5と結合する事を示唆する結果を得ておらず、さらに解析を進めつつある。
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