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1998 年度 実績報告書

トランスポゾンIS3とTn3の転移と制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 10216202
研究種目

特定領域研究(B)

研究機関東京大学

研究代表者

大坪 栄一  東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教授 (10158800)

研究分担者 関根 靖彦  東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (80222074)
キーワードトランスポゾン / 挿入因子 / 転移 / トランスポゼース / ゲノム再編
研究概要

トランスポゾンは、自身がコードするトランスポゼースの働きにより転移すると共に、その能力により欠失・重複・逆位等を促し、ゲノムを改変する。我々は、細菌の数多くのトランスポゾンにより構成されるファミリー中で最大の二つの代表である挿入因子IS3とアンピシリン耐性トランスポゾンTn3のトランスポゼースの機能と発現の制御機構解析を行ってきた。IS3はDNA複製を伴わない転移を、Tn3はそれを伴う転移をするという、異なる様式で転移するものである。本研究は、IS3とTn3DNAの切断・再結合による転移の機構を解明することを目的としたものであり、(1)IS3転移の中間体生成反応機構の解析、(2)Tn3トランスポゼースによるニッキング及び標的DNA鎖連結(strand transfer)反応の解析、に大別される。
本年度において、IS3を運ぶプラスミドからIS3転移の中間体と考えられる環状及び直鎖状分子が生じる分子機構を解析した。直鎖状分子は、各DNA鎖上のIS3の3'端と5'端から3塩基離れた位置における二つの異なる切断によると考えられるが、3'端における切断が他よりはるかに高頻度で起こること、また環状分子が直鎖状分子に変換されるという結果から環状分子が直鎖状分子の供給源であることが分かった。
Tn3に関しては、in vitro系でトランスポゼースによる転移の初期反応、即ちTn3末端に存在する逆向き繰り返し配列(IR)の3'末端でのニッキング反応を見いだし、この反応がACP(acyl carrier protein)により促進されることを示した。トランスポゼース及びACPによるニッキング反応の化学量論的研究を行い、ACPの促進効果を詳細に調べた結果、ACPがトランスポゼースのDNA結合状態を変え、あたかもクロマチン様構造を形成することが分かった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Makino, K.: "Complete nucleotide sequences of 93-kb and 3.3-kb plasmids of an Enterohemorrhagic Escherichia coli O157 : H7 derived from Sakai outbreak." DNA Research. 5. 1-9 (1998)

  • [文献書誌] Taki, K.: "Regulatory mechanisms in expression of the traY-I operon of sex factor plasmid R100 : Involvement of tral and tra Y gene products." Genes Cells. 3. 331-345 (1998)

  • [文献書誌] Janosi, L.: "Evidence for in vivo ribosome recycling, the forth step in protein biosynthesis." EMBO J.17. 1141-1151 (1998)

  • [文献書誌] Kumekawa, N.: "Identification and characterization of novel retrotransposons of gypsy type in rice." Mol.Gen.Genet.260. 593-602 (1998)

  • [文献書誌] Noma, K.: "Non-LTR retrotransposons (LINEs) as ubiquitous components among plant kingdom." Mol.Gen.Genet.261. 771-79 (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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