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2000 年度 実績報告書

ペルオキシソーム膜ABCタンパク質の構造・機能と遺伝病

研究課題

研究課題/領域番号 10217203
研究機関富山医科薬科大学

研究代表者

今中 常雄  富山医科薬科大学, 薬学部, 教授 (50119559)

研究分担者 宇根 瑞穂  広島大学, 医学部, 助手 (20144826)
守田 雅志  富山医科薬科大学, 薬学部, 助手 (20191033)
岡村 昭治  富山医科薬科大学, 薬学部, 助教授 (60019122)
キーワードABCタンパク質 / トランスポーター / ペルオキシソーム / 副腎脳白質ジストロフィー / 脂質代謝 / 脂肪酸輸送 / 脂肪酸β酸化 / 昆虫細胞発現系
研究概要

ペルオキシソーム膜上の4種のABCタンパク質、PMP70、ALDP、ALDRP、P70Rの構造と機能の解析を行い、以下に示す成果を得た。
1.野生型ならびに変異型ALDPを安定過剰発現しているCHO細胞を作製した。過剰発現されたALDPのペルオキシソーム局在を確認後、脂肪酸β酸化能を検討した。その結果、ALDPは極長鎖脂肪酸のβ酸化に関与すること、EAA-likeモチーフならびにWalker A、Bモチーフが機能上重要であることが示された。
2.昆虫細胞Sf21にC末端にHis-tagを付加したALD遺伝子導入ウイルスを感染させることにより、ALDPを大量に発現させることが可能になった。発現したALDPはすべて膜分画に回収された。ALDPは0.1%ndodecyl-β-maltosideで可溶化され、TALON metal affinity resinにより精製された。精製ALDPはSDS-PAGEで単一バンドを示した。さらにALDPはATPase活性をもつことがはじめて明らかになった。
3.PMP70のヌクレオチド結合領域を含むC末端側半分の親水性領域をmaltose結合タンパク質との融合タンパク質として大腸菌に発現させ、精製後ATPaseの特性を解析した。本活性はアザイドで強く阻害されるが、バナデートでは全く阻害されず、ユニークな特性を持つことが明らかになった。
4.ラット肝ならびにラット肝癌細胞H4IIEにおいて、各ペルオキシソームABCタンパク質の発現量と存在様式を解析した。その結果、PMP70:ALDP:ALDRP:P70Rの発現量は、4:1:0.2:^〜0であった。またPMP70は主としてホモダイマー、ALDPは主としてPMP70とヘテロダイマーを形成していることが明らかになった。
今後、各ABCタンパク質の特性を比較するとともに、プロテオリポソーム系での基質輸送機構の解析を通し、ABCタンパク質の(ヘテロダイマーとしての機能も含め)生理的意義ならびに病態との関連性を明らかにしたい。さらに結晶解析を試み、構造と機能ならびにその異常の実体に迫りたい。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Imanaka,T.: "The 70-kDa peroxisomal membrane protein (PMP70), an ATP-binding cassette transporter."Cell Biochem.Biophys.. 32. 131-138 (2000)

  • [文献書誌] Fujiwara,C.: "Catalase-less peroxisomes. Implication in the milder forms of peroxisomes biogenesis disorders."J.Biol.Chem.. 275・47. 37271-37277 (2000)

  • [文献書誌] Morita,M.: "Insulin-degrading enzyme exists inside of rat liver peroxisomes and degrades oxidaized proteins."Cell Struct.Funct.. 25・5. 299-305 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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