研究課題/領域番号 |
10217205
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研究種目 |
特定領域研究(B)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
植田 和光 京都大学, 農学研究科, 助手 (10151789)
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研究分担者 |
加藤 博章 京都大学, 化学研究所, 助手 (90204487)
天知 輝夫 京都大学, 農学研究科, 教授 (30301245)
木岡 紀幸 京都大学, 農学研究科, 助手 (90234179)
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キーワード | ABCタンパク質 / チャネル / トランスポーター / レセプター / ATP / 癌 / 糖尿病 / 残耐射性 |
研究概要 |
ABC蛋白は、よく保存されたATP結合領域をもつ膜蛋白の総称であり、いづれもATPによって駆動あるいは制御されているが、機能はトランスポータ、チャネル、レセプターと多様である。ABC蛋白の機能の多様性の謎を解明する鍵は、それらの機能のATP結合あるいはATP加水分解との共役性にある。トランスポータにおいてはATP加水分解による構造変化と物質輸送とが共役しているはずであり、レセプターとチャネルにおいては共役している必要はない。本研究は、ABC蛋白の機能の多様性の分子基盤を明らかにするために、レセプター型およびトランスポータ型ABC蛋白のATP/ADPとの相互作用の違いを生化学的、分子生物学的に解明することを目的とした。SUR1は細胞内のATPとADPの濃度をモニターすることによって、複合体を形成している内向き整流性Kチャネルの開閉を制御する。8-azido-ATPを用いた光親和性結合実験によって、SUR1のATPとの相互作用を検討した。その結果、SUR1が8-azido-ATPを強く結合すること、その結合はNBD2の変異によって影響されないが、NBD2の変異によって損なわれることが明らかになった。さらに、SUR1のATP結合はMgADPによって強く阻害されるが、阻害効果はNBD2の変異によって低下した。これらの結果は、NBDlがATPを、NBD2がMgADPを結合し、NBDlとNBD2のヌクレオチド結合が協調していることを示唆しており、SUR1とATPの相互作用は、トランスポーターであるMDR1/P-糖蛋白質と大きく異なっていることがわかった。
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