研究課題/領域番号 |
10218201
|
研究種目 |
特定領域研究(B)
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
藤田 敏郎 東京大学, 医学部・附属病院分院, 教授 (10114125)
|
研究分担者 |
下澤 達雄 東京大学, 医学部・附属病院分院, 助手 (90231365)
高橋 克敏 東京大学, 医学部・附属病院分院, 助手 (00292863)
高野 幸路 東京大学, 医学部・附属病院分院, 助手 (20236243)
安東 克之 東京大学, 保健センター, 講師 (60184313)
|
キーワード | アドレノメデュリン / 高血圧 / 血管平滑筋 / ノックアウトマウス |
研究概要 |
1 AMの血管平滑筋膜電位の調節に果たす役割 血管平滑筋細胞に対するアドレノメデュリンの直接作用を検討するために、ラット大動脈平滑筋細胞を初代培養し、形質転換を起こす以前の時期に電気生理実験を行った。whole cell clamp法ではアドレノメデュリン(AM,10nM)は血管平滑筋細胞膜を、約5mV過分極した。アドレノメデュリンの作用機構としてcAMPなどのdiffusibleなセカンドメッセンジャーの関与が知られているので、これらの可溶性の因子が失われないで実験が行えるperforated whole cell clamp法に切り替えた。するとこの方法では同濃度のAMで約10-15mVの過分極反応が認められた。電流固定法で過分極反応のイオン機構を調べたところ、AMで活性化される電流はよわい内向き整流性を示し、反転電位はカリウムの平衡電位に近かった。細胞外Kイオン濃度を変化させたところ反転電位がカリウムの平衡電位にほぼ従って変化した。以上よりAMは血管平滑筋の弱い内向き整流性を有するカリウム電流を活性化して膜を過分極し、このことがAMによる血管の弛緩に関与すると考えられた。 2 ノックアウトマウスの作成 組み替え遺伝子を作成し、TT2ES細胞にエレクトロポーレーション法にて導入し、ネオマイシンにて組み替え体を取得した。さらにCreを過剰発現した細胞と共存培養し、LoxPの組み替えを行いAM単独ノックアウトとプロアドレノメデュリンノックアウトに相当するES細胞を取得した。これらの3種のES細胞をCD-18細胞期卵細胞にアグリゲーション法にて導入し、擬妊娠マウスに卵移植し、キメラマウスを取得した。現在このキメラマウスをC57BL/6マウスと交配させ欠損マウスを取得する途上である。
|