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1999 年度 実績報告書

アドレノメデュリンの循環調節作用機序の解析

研究課題

研究課題/領域番号 10218202
研究機関東京大学

研究代表者

平田 恭信  東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (70167609)

研究分担者 鈴木 越  東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (40313134)
キーワードアドレノメデュリン / cGMP / cAMP / アポトーシス / NO
研究概要

アドレノメデュリン(AM)の血管拡張作用にNO-GMP系が関与するか否かは異論が多い。ラットにおいて伝導血管である大動脈と抵抗血管の反応性を反映する単離腎の灌流系を用いて、AMの血管作用における内皮由来NOとcGMPの関与の程度を調べた。ラット胸部大動脈におけるAMによる用量依存性の血管拡張は、内皮剥離によって減弱した。cGMP特異的phosphodiesterase(PDE)害薬であるE-4021の存在下ではAMの血管拡張作用は増強された。またE-4021はアセチルコリンによる血管拡張も増強した。AMあるいはアセチルコリンの血管拡張作用に対するE-4021の作用は内皮剥離標本では認められなかった。灌流腎においてもAMの血管拡張作用はE-4021の投与により、いずれの濃度でも増強された。AMはNOを遊離させたが、その遊離速度はE-4021によって変化しなかった。E-4021がAMによる血管拡張を増強したことより、AMの作用の一部はNO-cGMP系に依存していることが示された。
AMは血管壁から分泌されて血管緊張の調節ばかりでなく細胞増殖や分化の調節にも関与していると考えられている。我々はAMの内皮細胞のアポトーシスに及ぼす影響を検討した。ヒト臍帯静脈の内皮細胞は血清除去培地で培養するとアポトーシスを生ずる。AMを投与すると用量依存的に核濃縮および細胞死を減少させた。しかしAMはBcl2を変化させなかった。cAMPアナログや細胞内cAMP増加作用を有する物質には抗アポトーシス作用は見られなかった。LNAMEの存在下ではAMのこの作用は抑制された。1〜10μMのニトロプルシッドソーダは抗アポトーシス作用を示した。このニトロプルシッドソーダの作用は可溶性グアニリルシクラーゼの阻害で変化せず、また8-br-cGMPにも抗アポトーシス作用は認められなかった。これらのことからAMおよびNOは内皮細胞のアポトーシスをcGMP比依存性に抑制すると考えられる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Matsumoto A, Hirata Y: "The effect of nitric oxide on gas exchange in patients with congestive heart failure"Ann Intern Med. 130. 40-44 (1999)

  • [文献書誌] Kakoki M, Hirata Y: "Effects of vasodilatory β-adrenoceptor antagonists on endothelium-derived nitric oxide release in rat kidney"Hypertension. 33. 467-471 (1999)

  • [文献書誌] Hayakawa H, Hirata Y: "Role of nitric oxide-cGMP pathway in adrenomedullin-induced vasodilation in rat"Hypertension. 33. 689-693 (1999)

  • [文献書誌] Kakoki M, Hirata Y: "Effects of hypertension, diabetes mellitus and hypercholesterolemia on endothelin type B receptor-mediated nitric oxide release from rat kidney"Circulation. 99. 1242-1248 (1999)

  • [文献書誌] Nagata D, Hirata Y: "Hypoxia-induced adrenomedullin production in the kidney"Kidney Int. 55. 1259-1267 (1999)

  • [文献書誌] Sata M, Hirata Y: "Adrenomedullin and nitric oxide inhibit human endothelial cell apoptosis via a cGMP-independent mechanism"Hypertension. (in press).

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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