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1998 年度 実績報告書

アドレノメデュリンと血管リモデリングに関する分子生物学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 10218203
研究種目

特定領域研究(B)

研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

平田 結喜緒  東京医科歯科大学, 医学部, 助教授 (50135787)

研究分担者 七里 眞義  東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (10206097)
キーワードアドレノメデュリン / 血管平滑筋 / 増殖 / アポトーシス / チロシンキナーゼ / MAPキナーゼ / 情報伝達 / 血管リモデリング
研究概要

血管平滑筋細胞(VSMC)はアドレノメデュリン(AM)を産生、分泌すると同時にそのレセプターを持つことから、オートクリン・パラクリンとして血管トーヌス調節に関与していると考えられている。しかしAMレセプターの調節機構や細胞増殖やアポトーシスに関与するか否かは全く不明である。培養ラットVSMCを用いてAMレセプターと共役するアデニル酸シクラーゼ(AC)活性を指標にAMレセプターの調節機構を解析した結果、AM前処置によってAM再投与によるAC活性は短時間(15分以内)から減弱し、2時間後には80%まで低下し、24時間迄持続した。このようなAM前処置によるAC活性の減弱効果は用量依存性であり、βレセプターとは独立した経路であった。更にAM前処置によるAC活性の減弱効果はAキナーゼやCキナーゼ活性化物質や阻害薬によっても影響を受けなかった。したがって血管平滑筋のAMレセプターは過剰のAMの依存下では脱感作されて、作用が減弱するダウンレギュレーション機構が存在することが明らかとなった。AMは静止期にあるVSMCでは著明な細胞増殖効果を示し、この作用はAキナーゼやCキナーゼ非依存性であった。AMは著明にMAPキナーゼ活性を促進し、この作用はチロシンキナーゼ阻害薬によって抑制された。またAMは成長因子欠乏下でのアポトーシスを抑制し、このようなAMの抗アポトーシス作用にはMAPキナーゼ活性化を介していた。したがってAMは血管拡張作用だけでなく、血管平滑筋に対して細胞増殖・抗アポトーシス因子として作用し、情報伝達にはチロシンキナーゼを介したMAPキナーゼ系が重要な役割を果たしていることを証明した。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Sato K.,et al: "Secretion of adrenomedullin by renaltubular cell lines" Nephron. 18. 9-14 (1998)

  • [文献書誌] Iwasaki H.,et al: "Adrenomedullin as a novel growth-promoting factor for cultured vascular smooth muscle cells" Endocrinology. 139. 3432-3441 (1998)

  • [文献書誌] Iwasaki H.,et al.: "Down-regulation of adenylate cyclase coupled to adrenomedullin receptor in vascular smooth muscle cells" European Journal of Pharmacology. 352. 131-134 (1998)

  • [文献書誌] Shichiri M.,et al.: "Endothelin-1 is a potent survival factor for c-Myc-dependent apoptosis" Molecular Endocrinology. 12. 172-180 (1998)

  • [文献書誌] Eguchi S.,et al.: "Calcium-dependent epidermal growth factor receptor transactivation mediates the angioleusin II-induced MAP kinase activation in vascular smooth muscle cells" Journal of Biological Chemistry. 273. 8890-8896 (1998)

  • [文献書誌] Iwashina,M.,et al.: "Transfection of induciple nitric oxidesynthase gene causes apoptosis in vascular smooth muscle cells" Circulation. 98. 1212-1218 (1998)

  • [文献書誌] Miyasaka N.& Hirata Y.: "Nitric oxide production in human inflammatory arthritides" Cambridge University Press(London), 8 (1988)

  • [文献書誌] 平田 結喜緒: "治療薬としてのNO" 診断と治療社(東京), 27 (1988)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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