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1999 年度 実績報告書

アドレノメデュリンと血管リモデリングに関する分子生物学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 10218203
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

平田 結喜緒  東京医科歯科大学, 医学部, 助教授 (50135787)

研究分担者 七里 真義  東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (10206097)
キーワードアドレノメデュリン / 内皮 / アポトーシス / c-Myc / Max / 血管リモデリング
研究概要

血管では平滑筋細胞(SMC)や内皮細胞(EC)でアドレノメデュリン(AM)が産生、分泌すると同時にそのレセプターを持つことから、AMがオートクリン・パラクリンとしてSMCのトーヌス制御に関わっていると考えられる。しかしAMのECに対する細胞機能は全く不明であったが、先の我々の研究によってAMが抗アポトーシス作用を持つことが明らかとなった。今回更にAMの持つ内皮生存因子として機能を分子レベルで解析した。AMは血清除去によるラットECのアポトーシスを強力に抑制するのと同時にc-Mycに影響せずにその拮抗因子であるMax遺伝子の発現を促進した。Maxの発現誘導はAMの他にカルチトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)や血清によってもみられた。血清除去によってMax発現はダウンレギュレーションされたが、この現象はAM投与によって阻害された。CGRP受容体拮抗薬や抗AM抗体投与によってMax発現は抑制され、同時に血清除去によるアポトーシスは亢進した。Max遺伝子のアンチセンスオリゴマーを細胞へ導入すると、AMによるMax発現増加と抗アポトーシス効果が阻止された。更にc-Myc-Maxの結合部位(E-box)を持つ遺伝子プロモーター活性はAMやCGRPだけでなく、MaxやMad遺伝子の共発現によっても著明に抑制された。以上の研究からAMは血清除去による内皮のアポトーシスをMax遺伝子を介して抑制することを明らかになった。したがってAMはオートクリン・パラクリン因子として内皮保護作用を持つといえる。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Suenobu, N., et al.: "Natriuretic peptides and nitric oxide induce endothelial apoptosis via cyclic GP-dependent mechanism"Arterioscler. Thromb. Vasc. Biol.. 19. 140-146 (1999)

  • [文献書誌] Mitaka, C., et al.: "Improvement of renoldysfunction in dogs with endotoxemia by a nonselective endothelin receptor antagonist"Crit. Care Med.. 27. 146-153 (1999)

  • [文献書誌] Katsuyama, K., et al.: "Differential inhibitory actions by glucoccosti cord and aspirin on cytokine-induced bidic oxide production in VSMC"Endocrinology. 140. 2183-2190 (1999)

  • [文献書誌] Shichiri, M., et al.: "Induction of Max by adrenomedullin and CGRP autagonizes endothelial apoptosis"Mol. Endocrinol.. 13. 1353-1363 (1999)

  • [文献書誌] Iwasaki, H., et al.: "Endothelin-mediated vascular growth requires p42/p44 MAP kinase and p70 s6 kinase in transactivation of EGF receptor"Endocrinology. 140. 4659-4668 (1999)

  • [文献書誌] Eguchi, S., et al.: "Intracellular signaling of angioteusia II-induced p70 s6 kinase phosphorylation at Ser 411 in VSMC"J. Biol. Chem.. 274. 36843-36851 (1999)

  • [文献書誌] 平田結喜緒: "心筋保護の臨床―ベットサイドから分子メカニズムまで"南山堂. 11 (1999)

  • [文献書誌] 平田結喜緒: "Annual Review内分泌、代謝2000"中外医学社. 6 (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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