研究分担者 |
横尾 宏毅 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (30332894)
柳田 俊彦 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (60295227)
小林 英幸 宮崎医科大学, 医学部, 助教授 (40148953)
上園 保仁 長崎大学, 医学部, 講師 (20213340)
山本 隆一 九州保健福祉大学, 保健学部, 教授 (10094111)
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研究概要 |
1.Adrenomedullin(AM)受容体,calcitonin gene-related peptide(CGRP)受容体,amylin受容体の解析:AM, CGRR, amylinは類似の構造と類似の生理作用を共有する。しかし,これらのペプチドの受容体に関しては不明の点が多く,この点をoligodendroglia細胞KG1Cを用いて検討した。KG1C細胞には,calcitonin receptor-like receptor(CRLR), receptor-activity-modifying protein(RAMP)-1,-2,-3が発現しており,AMはAM受容体(CRLR+RAMP-2,CRLR+RAMP-3)とCGRPi受容体(CRLR+RAMP-1),CGRPはCGRP1受容体とCGRP2受容体,amylinはCGRP1受容体を介して生理作用を発現することを報告した。 2.脳微小血管内皮細胞,グリア細胞のAM生合成・分泌とAM受容体:脳微小血管内皮細胞はAMを血管内腔と周辺組織に分泌し,血管内腔側への分泌量は今まで報告されている他の細胞からの分泌量よりも1桁高度であった。末梢の血管内皮細胞と異なり,AM分泌はトロンピン,リポポリサッカロイド,サイトカインによって増加しなかった。しかし、血管内腔側へのAM分泌は、astrocyte由来の液性因子により増加した。脳微小血管内皮細胞とpericyteは,CRLRとRAMP-2,-3を発現しており,AMによりcyclic AMPレベルが増加した。AMは、脳微小血管内皮細胞のP-糖蛋白質、ピノサイトーシス、タイトジャンクションの機能を調節し、血管内皮細胞の血液脳関門機能を増強していることが示された。 3.AMとAM受容体による妊娠維持:CRLRとRAMP-1,-2の発現しているラット妊娠子宮において,AM発現量は胎盤に付着する子宮と胎盤脱落膜で著しく増加したが,胎盤繊毛膜,胎盤非付着部子宮では増加しなかった。胎盤付着部子宮は自発的収縮を示さないが,AM受容体遮断薬AM(22-52)の添加により著しく周期的収縮をおこした。AMとAM受容体の発現は、子宮収縮を抑制することにより妊娠維持に関与していることが示唆された。 4.AMによる虹彩括約筋弛緩機序:AMは,autocrine/paracrine的にAM受容体とCGRP1受容体に作用し,NOとcyclic AMPを増加させることにより虹彩括約筋を弛緩させた。
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