研究課題/領域番号 |
10218208
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研究機関 | 宮崎医科大学 |
研究代表者 |
江藤 胤尚 宮崎医科大学, 医学部, 教授 (10038854)
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研究分担者 |
加藤 丈司 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (20274780)
今村 卓郎 宮崎医科大学, 医学部, 講師 (60203329)
河南 洋 宮崎医科大学, 医学部, 教授 (00049058)
栗原 裕基 熊本大学, 発生医学研究センター, 教授 (20221947)
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キーワード | アドレノメデュリン / AM受容体 / CRLR / RAMP / AM-Gly / アミド化酵素 / 局所調節因子 / AM遺伝子過剰発現マウス |
研究概要 |
AM受容体の解析:ラットRAMP-2のアミノ酸配列93-99とRAMP-3の58-64の欠損変異体を作成しHEK293細胞に発現させたところ、細胞表面にCRLR-RAMP複合体は発現したが、野生型RAMPsと比較してAM結合とcAMP産生が抑制された。すなわちラットRAMP-2の93-99、RAMP-3の58-64の細胞外アミノ酸残基がCRLR・RAMPs複合体のAM結合と受容体機能を維持するうえで重要であることが判明した。AM-Glyの活性の解析:中間型AM(AM-Gly)はex vivoにおいて成熟型AMと同等のラット大動脈拡張作用を有しており、その作用はアミド化酵素阻害薬(PBA)により抑制された。また、ラット大動脈とAM-Glyをインキュベートすると成熟型AMが産生され、AM-Glyが血管壁のアミド化酵素の作用により、成熟型AMに変換されて血管を拡張させることが明かとなった。循環器疾患モデル動物の解析:ラットに大動脈狭窄(圧負荷)または大動脈下静脈シャント(容量負荷)を作成したところ、左室CRLR、RAMP-2または3の遺伝子発現が増加し、左室AM遺伝子発現の増加と有意に相関していた。すなわち、圧または容量負荷モデルの左室では、AMのみでなくAMアフェクターシステムの遺伝子発現も増加しており、心筋肥大や線維化抑制作用を有するAMの局所因子としての役割が示唆された。AM過剰発現マウスの解析:AM遺伝子過剰発現マウス(AMTg)は野生型に比較して、大腿動脈カフに対する血管内膜増生が抑制されていた。さらに、アポE欠損マウス(ApoEKO)とAMTgを交配させApoEKO-AMTgを作成したところ、ApoEKOに比較して粥状硬化初期病変の形成がより軽微であった。すなわち、AMは血管保護的に作用していることが示唆され、抗動脈硬化薬としてのAMの臨床応用の可能性が示唆された。
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