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2002 年度 実績報告書

腎疾患における細胞アポトーシスとアドレノメデュリンの関係について

研究課題

研究課題/領域番号 10218209
研究機関獨協医科大学

研究代表者

石光 俊彦  獨協医科大学, 医学部, 助教授 (80232346)

研究分担者 小林 直彦  獨協医科大学, 医学部, 講師 (90254945)
松岡 博昭  獨協医科大学, 医学部, 教授 (20111544)
小野 英彦  獨協医科大学, 医学部, 講師 (70214187)
錦見 俊雄  獨協医科大学, 医学部, 助教授 (80291946)
キーワードアドレノメデュリン / 腎疾患 / 高血圧 / アポトーシス / 遺伝子多型 / リモデリング / 線維化
研究概要

多数例においてAM遺伝子およびその隣接領域のゲノムDNAの塩基配列を検索し、約4kb 3'下流に(CA)nのマイクロサテライト多型を認めた。このCAリピート数は日本人においては11,13,14および19の4種類であり、健常人に比べ、本態性高血圧や糖尿病性腎症においては19回繰り返しのアリルの出現頻度が高く、このマイクロサテライト多型が高血圧の遺伝的素因や糖尿病における腎障害の進展と関係すると思われた。また、第1および第3イントロンには+223A/Cおよび+1100C/Gの互いに連鎖する2つの単塩基変異(SNP)が認められた。健常人における+223Cのアリルは3.7%と低頻度であったが、血清トリグリセリド高値など脂質代謝と関係する可能性が推測された。
重症高血圧を呈するL-NAME投与SHRの心筋間質や糸球体,尿細管細胞にアポトーシスの発現が観察された。高血圧性糸球体硬化の初期段階においてはアポトーシス誘導と増殖抑制により糸球体細胞数が減少し係蹄面積が縮小した。このように高血圧性の障害に対する循環器系組織のリモデリングは、細胞レベルではアポトーシス発現と細胞増殖のバランスにより制御されていると考えられた。免疫染色にてAMは心筋間質血管周囲の線維芽細胞や腎臓においては萎縮尿細管上皮,硬化糸球体および糸球体・血管周囲の線維芽細胞などに認められ、障害組織のリモデリングに関与することが推測された。これらの心および腎組織ではTGF-β,caspase-3とともにAMのmRNA発現が増加しており、線維化による臓器障害やアポトーシス誘導による組織リモデリングの過程にAMが代償的な役割をもつと思われた。また、AMの持続投与により食塩感受性高血圧ラットの腎障害が緩和されることを観察した。ヒトの腎生検組織においてもreal-time PCR法によりAMやcaspase-3のmRNAを定量した結果、著明な高血圧性腎障害を示す症例ではAMmRNAの発現が多く、また、IgA腎症の予後不良群ではcaspase-3のmRNAが多くアポトーシスの発現が促進されていることが観察された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Ishimistu T, et al.: "Variations of human adrenomedullin gene and its relation to cardiovascular diseases"Hypertension Research. 26・suppl. S129-S134 (2003)

  • [文献書誌] Nishikimi T, et al.: "Renoprotective effect of chronic adrenomedullin infusion in Dahl salt-sensitive rats"Hypertension. 39・6. 1077-1082 (2002)

  • [文献書誌] Inada H, et al.: "Nipradilol prevents L-NAME-exacerbated nephrosclerosis"Hypertension Research. 25・3. 433-440 (2002)

  • [文献書誌] Minami J, et al.: "Source of plasma adrenomedullin in patients with pheochromocytoma"American Journal of Hypertension. 15・11. 994-997 (2002)

  • [文献書誌] Tsukada K, et al.: "Positive association of CYP11B2 gene polymorphism with genetic predisposition to essential hypertension"Journal of Human Hypertension. 16・11. 789-793 (2002)

  • [文献書誌] 石光 俊彦: "アドレノメデュリン遺伝子の構造・機能と循環器疾患の病態との関係"血管. 25・4. 171-177 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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