(1)AtVam3タンパク質を相互作用する可能性のある分子AtNyv1(AtNyv1-1〜AtNyv1-5)の配列をシロイヌナズナゲノムデータベースより単離し、それぞれの抗体を作成し、組織特異性・細胞内局在などの解析を行った。 (2)シロイヌナズナ新規t-SNARE分子AtVAM7をシロイヌナズナゲノム第一番染色体中に発見した。その後シロイヌナズナcDNAライブラリーより、PCR法によりAtVAM7 cDNAを単離し、抗体を作成した。この抗体を用いた解析により、AtVam7タンパク質は主に根で特異的に発現していることが判った。またショ糖密度勾配法を用いた解析により、このタンパク質は液胞に存在している可能性が示唆された。 (3)AtVam3タンパク質とGFPとの融合タンパク質を発現するように設計したT-DNAベクターをシロイヌナズナに形質転換し、GFPの蛍光を蛍光顕微鏡下で、AtVam3-GFP融合タンパク質の細胞内での挙動を観察した。その結果融合タンパク質は液胞に存在することが確認された。また実際に液胞同士が融合していく様子を始めて観察することに成功した。 (4)液胞のサイズ調節に関連していると思われる分子AtFAB1を単離し、解析を始めた。現在、抗体を作成中である。 (5)液胞膜H^+-PPaseのプロモーター領域の解析 H^+-PPaseのプロモーター領域中に花粉特異的に発現を調節している部位を発見し、現在までに、30bpの領域まで絞り込んで解析を進めている。またこの花粉特異的プロモーター領域の下流にH^+-PPaseの配列を逆向きにつないでアンチセンスの配列を植物に発現させるを花粉が正常に発達しなくなり、雄性不稔の形質を示すようになった。現在このプロモーター領域は関西TLO株式会社を通じて特許出願中である。
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