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1999 年度 実績報告書

植物と酵母における液胞形態形成及び液胞タンパク質輸送に関与する遺伝子の取得と解析

研究課題

研究課題/領域番号 10219205
研究機関香川大学

研究代表者

竹川 薫  香川大学, 農学部, 助教授 (50197282)

キーワード液胞 / 液胞タンパク質 / 分裂酵母 / 糖タンパク質 / エンドサイトーシス
研究概要

出芽酵母Saccharomyces cerevisiaeにおいて液胞タンパク質の液胞への輸送経路が複数存在することが明らかにされつつある。これまでに分裂酵母Schizosaccharomyces pombeには複数の液胞へのタンパク質輸送機構が存在するかは全く明らかにされていなかった。我々は分裂酵母の鉄イオンの取り込みに関与する細胞表層局在複数膜貫通タンパク質をコードするpdt1遺伝子を取得し、本タンパク質が分裂酵母内で細胞表層からエンドサイトーシスにより液胞へと輸送されることを見いだした。またアクチン関連遺伝子を破壊した分裂酵母変異株はPdt1タンパクの液胞へのエンドサイトーシスが阻害されていることを見いだした。次に出芽酵母において液胞膜に局在するアルカリホスファターゼ(ALP)と相同性の高い遺伝子を単離し、本タンパク質が分裂酵母においてALP活性を示すこと、動物や出芽酵母で明らかにされているアダプチン(AP-3)複合体を介して液胞へと輸送されていることを明らかにした。さらに分裂酵母において窒素飢餓特異的に発現する遺伝子として取得されていた遺伝子であるisp6遺伝子産物が、分裂酵母の液胞セリンプロテアーゼであることを証明し、その液胞への輸送機構について明らかにした。
以上の結果から分裂酵母にも複数の液胞タンパク質輸送経路が存在することを明らかにすることができた。
植物の液胞は種々の化合物の蓄積・解毒コンパートメントとして知られているが、我々は抗真菌剤であるナイスタチンに強い感受性を示す出芽酵母変異株を取得して解析を行ったところ、液胞形態形成に関与するVPS16遺伝子に変異が生じたものであることがわかった。さらに解析の結果、出芽酵母の液胞はナイスタチンの耐性に深く関与していることがわかり、酵母液胞が各種薬剤の解毒コンパートメントとして機能していることを明らかにした。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] M.Shah Alam Bhuiyan: "Nystatin effects on vacuolar function in Saccharomyces cerevisiae"Biosci.Biotechnol.Biochem.. 63. 1075-1082 (1999)

  • [文献書誌] Hiroaki Segawa: "Schizosaccharomyces pombe UDP-galactose transporter : identification of its functional from through cDNA cloning and expression in mammalian cells"FEBS Letters. 451. 295-298 (1999)

  • [文献書誌] Mitsuaki Tabuchi: "Functional analysis of the human NRAMP family expressed in fission yeast"Biochem.J.. 344. 211-219 (1999)

  • [文献書誌] 竹川薫: "酵母の液胞タンパク質輸送における新たな輸送経路とPIキナーゼによる調節"実験医学. 17. 2497-2502 (1999)

  • [文献書誌] 竹川薫: "液胞への小胞輸送におけるタンパク質の選別機構"生体の科学. 50. 518-524 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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