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1998 年度 実績報告書

初期神経板パターン形成における領域間相互作用の分子機序

研究課題

研究課題/領域番号 10220204
研究種目

特定領域研究(B)

研究機関京都大学

研究代表者

笹井 芳樹  京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (20283616)

キーワード神経発生 / パターン形成 / 脳 / シグナル因子 / 分化制御
研究概要

神経誘導因子Chordinを作用させた未分化外胚葉とさせていないものとを用いてデファレンシャル・スクリーニングを行い、多数のChordinで誘導される神経特異的遺伝子を単離した。これらはごく初期神経板全体に発現しており「微細なパターン形成」が行われる前に働く遺伝子と考えられた。アフリカツメガエルのアニマル・キャップを用いた微量注入法の解析の結果、Zic-related1,Sox-Dは単独で外胚葉の神経分化を誘導することが明らがとなった。これらはChordinの下流で働き、神経誘導因子のエフェクターとして神経分化のごく早いタイミングで働き、proneural genesの発現の上流で働くことが示された。上記の2つのSox因子についての機能解析を行うため、DNA結合領域を欠損させたドミナント・ネガチィブ変異体を作成し、mRNA微量注入法により機能を検討した。SoxDのドミナント・ネガチィブ変異体を強制発現させ機能阻害をすると、胚の大脳の発生が顕著に抑制され、OTXなどのマーカーも抑えられた。このことはSoxDが大脳原基の発生に必須であることを示す。しかし、中脳より後方の発生は大きな変化が認められなかった。一方、Sox2のドミナント・ネガチィブ変異体を強制発現させた胚では、大脳のみならず神経板全体の神経マーカーの抑制が認められた。このことはSox2は神経分化の制御により広範囲で必要とされていることを示す。SoxD,Sox2のドミナント・ネガチィブ変異体ともアニマルキャップアッセイでは神経誘導を押さえた。脳及び頭部外胚葉の形成期の細胞間や組織間の相互作用を媒介する因子を検討するため、中期神経胚の頭部神経板よりこうしたシグナルトラップcDNAライブラリーを作成し小スケール・スクリーニングをおこない、十数個の新しい神経特異的分泌因子(または膜蛋白)を同定した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 笹井芳樹: "Identifying the missing links: genes that connect neural induction and primary neurogenesis in vertebrate embryos." Neuron. 21. 455-458 (1998)

  • [文献書誌] 水関健司 他: "Sox-D is an essential mediator for induction of anterior neural tissues in Xenopus embryos." Neuron. 21. 77-85 (1998)

  • [文献書誌] 水関健司 他: "Xenopus Zic-related-1 and Sox-2,two factors Inducer by Chordin,have distinct activities in the initiation of neural induction." Development. 125. 579-587 (1998)

  • [文献書誌] 山中庸司 他: "A novel zebrafish homeobox gene,dharma,induces the organizer in a non-cell-autonomous manner." Genes & Development. 12. 2345-2353 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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