研究課題/領域番号 |
10220208
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研究種目 |
特定領域研究(B)
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研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
森 憲作 理化学研究所, ニューロン機能研究グループ, グループディレクター(研究職) (60008563)
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研究分担者 |
杉野 英彦 理化学研究所, 機能分子研究チーム, 研究員 (70270577)
長尾 伯 理化学研究所, 機能分子研究チーム, 研究員 (50281647)
中川 リリア 理化学研究所, 機能分子研究チーム, 研究員 (80300888)
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キーワード | 嗅球 / OCAM / 匂いマップ / 神経幹細胞 / ニューロンの新生 |
研究概要 |
(1) 「嗅球匂いマップ」の解明 細胞接着分子OCAMは、嗅上皮の4つの匂い受容体発現ゾーンのうち、ゾーンII、III、IVの嗅細胞軸索で発現しているが、ゾーンIの嗅細胞軸索では発現しない。またOCAMを発現した嗅細胞軸索は嗅球の尾側・腹側ゾーンへと選択的に投射する。今回私達は、OCAM以外の細胞接着分子で、特定のサブセットの嗅細胞軸索だけに発現する分子を探索し、2種類の分子をみいだした。OCAMを含めた3種類の細胞接着分子はそれぞれ、嗅細胞軸索の異なったサブセットに発現していた。さらに、細胞接着分子陽性軸索の嗅球での空間配置を調べると、それぞれ特定の領域(CAMドメイン)に集合していることが見いだされた。このようにして決定されたCAMドメインと、特定の匂い受容体に対応した糸球の位置との対応関係を調べることにより、「嗅球における匂いマップ」の概要を始めて明らかにした。 (2)成体脳における、嗅細胞、嗅球1nterneuronsの誘導と、新生ニューロンの神経回路への組み込み成体脳における神経幹細胞および新生ニューロンを可視化する目的で、神経幹細胞特異的な発現を誘導するNestin Promoteの支配下に、Green FruorescentProtein(GFP)遺伝子を導入したトランスジェニックマウスを作成した。この結果、嗅上皮および鋤鼻感覚上皮にGFP陽性の幹細胞が観察され、嗅神経や鋤鼻神経切除時には多数の新生感覚細胞がGFP陽性となった。また、成体においても新生することが知られている嗅球の顆粒細胞および傍糸球細胞にG印が観察された。
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