研究課題
昨年度購入したコンピューター(マッキントッシュ)とソフト(エクセル)で制作を開始した東京国立文化財研究所所蔵写真の第一次デジタル・リストがようやく完成した。この写真資料は、かつて研究代表者が同研究所に在籍した折り調査収集したもので、博物館、美術館、大学、個人コレクターなどの約90点である。これに続いて、昨年度調査した京都国立博物館所蔵探幽縮図の第一次デジタル・リストを制作した。これらはフィルムを中心にリスト化したものである。本年度はこれらをもとに、二つの作業を進めた。一つは京博本の留書の入力である。これは同朋舎版『探幽縮図』をもとに、購入済のOCRキャスナー(アグファおよびキャノン)を使用して進めたが、大変ヒット率が悪く、それを手作業で訂正するため、思いのほか時間がかかってしまった。まだ終了していないため、来年度もこれに相当の時間を割かねばならないと思われる。これだけコンピューターの性能が向上しているにもかかわらず、どうしてこのようにヒット率が悪いのか。それはともかく、もう一つは画像の入力である。昨年度われわれで行なってみたが、遅遅として進まなかったため、基本的に研究所本、京博本ともに専門の会社に依頼することにした。その結果、これらの入力はすでに終了している。来年度は、大学院の演習において、研究所本画像により留書の解読を進める予定である。また、これら画像と留書を一体化させる作業を開始する予定である。現在、京都国立博物館にはこれまで知られなかった探幽縮図がかなり寄託されている。中村岳陵旧蔵の大巻物二巻をはじめとする個人コレクションである。すでにこれらは京博に依頼して撮影してあるので、これらについても上記と同じ作業を本年度中に進めなけれぱならない。
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