研究課題/領域番号 |
10301019
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
岡本 東三 千葉大学, 文学部, 教授 (00000498)
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研究分担者 |
平川 南 国立歴史民俗博物館, 副館長 (90156654)
原 秀三郎 静岡大学, 名誉教授 (40021828)
河原 純之 川村学園女子大学, 人間文化学部, 教授 (10270498)
柳澤 清一 千葉大学, 文学部, 教授 (10334161)
天野 努 千葉県立安房博物館, 館長
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キーワード | 海食洞穴 / 舟形埴輪 / 黒潮文化圏 / 海人族 / 神郡 / 忌部氏 / 高橋氏 / 舟葬 |
研究概要 |
安房における考古学・古代史上の特質は、『古語拾遺』や「高橋氏文」に伝える氏族伝承説話や律令制下の安房郡が神郡とされたことから、古くからヤマト政権の東国支配の海上交通の要路、軍事的な基地であったと推定されてきた。しかし史料的な制約や考古学的資料も少ないことから「古代安房」の実像に迫る研究は十分進捗してきたとはいいがたい。 そこで考古学的フィールドとして勝浦市守谷海岸に所在する海食洞穴群の発掘調査を着手し、その実体を究明することとした。平成10年度には海食洞穴の分布調査ならびに本寿寺洞穴・守谷洞穴の実測調査を行った。それに基づき11・12年度に本寿寺・長兵衛岩陰の発掘調査、13年度にこうもり穴洞穴の発掘調査を実施した。調査の結果、縄文時代から古墳時代におけるこの地域に暮らした海民の暮らしと風習を明らかにすることができた。特記すべきは弥生時代から古墳時代にかけての卜骨祭祀の実態を解明した点にある。また古代史的調査は安房関係の文献史料・木簡資料、忌部氏の分析や関連する伊豆半島の調査を通し古代安房にいたる、この地域の特質と海民としての歴史的形成過程を探ることができた。
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