研究分担者 |
金銅 誠之 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (50186847)
齊藤 博 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (80135293)
行者 明彦 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (50116026)
浪川 幸彦 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (20022676)
梅村 浩 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (40022678)
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研究概要 |
本年度は目標とするK3曲面自身ではなく、それの基礎となる研究を行なった。 1。 曲線上のベクトル束のモジュライ空間が射影的代数多様体として幾何学的不変式論で簡単に構成できることを示した。(10月の韓国高等研究所KIASでの国際研究集会で発表。) 2。 種数10の3次元Fano多様体を階数3のベクトル束のBrill-Noether軌跡として表すことが、Fano多様体のベクトル束的記述で残っていたが、これに関して研究を進展することができた。 3。 楕円曲線から得られるガロア群の表現の基礎を勉強し、曲線上のベクトル束のモジュライやそのBrill-Noether軌跡と比較した。 4。 偏曲アーベル曲面のモジュライはKummer曲面を介してK3曲面のそれと深く関係している。これまでの結果を発展させて、2重レヴェル付きのモジュライを考察し、(1,d)型でd=1,2,3,4のときに、佐武のコンパクト化が3次元射影空間と(自然な群作用に関して)同変的に同型であることを示した。また、(1,5)型の場合の佐武コンパクト化は72個の点カスプを特異点解消することにより3次元射影空間の60点blow-upと同型になることもわかった。これについては平成11年1月に北大で開催された研究集会のProceedingに報告した。
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