研究課題/領域番号 |
10304002
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
丸山 正樹 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50025459)
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研究分担者 |
河野 明 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00093237)
上野 健爾 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40011655)
西田 吾郎 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00027377)
森脇 淳 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70191062)
中島 啓 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00201666)
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キーワード | モデュライ / 安定層 / 有界性 / 単純な複体 / 代数的空間 |
研究概要 |
安定層のモデュライが正標数の体の上で擬射影的か、すまわち不変量を固定した安定層の族が有界かという問題は、丸山が1973年に、基礎多様体が2次元以下であればよいこと、1980年に安定層の階数が3以下であればいつも肯定的であることを示して以来、全く進歩が無かった.この問題の解決を進展させることがこの研究において最大の目標でもあった.今年度、20年ぶりに大きな一歩を踏み出す成果をことができた.すなわち、階数4の安定層の有界性が確立した.証明法は曲面上の安定層の第2チャーン類についての評価とこれまでの手法を改良したものの組み合わせであるが、克服べき困難は多々あり、容易なものではない.残念ながら一般的な結果に到達するにはこの方法には限界があると思われ、フロベニウス写像におけるデセント理論の確立によりボゴモロフ不等式を一般的な代数多様体上で示すことが求められる.3年間の研究においてこの方向で一定の成果は得たが、まだまだ不十分であり、今後も継続的に研究をすすめていく. 安定層のモデュライ空間を深い関連性を持った多様体上で比較するとき、例えばアーベル多様体とその双対アーベル多様体におけるFourier-Mukai変換を通して比較するとき、個々の層をのみを考えるのは不十分であり、複体の導来圏で考えるのが自然である.そのためには複体の安定性の定義が必要になると考えられる.今年度には安定性の一歩手前と考えられる単純生の合理的と思われる定義を導入して、それが代数的空間としてモデュライを持つことを示した.幅広い応用を持つ方向ではあるが、安定性の合理的な定義を見いだし、そのモデュライが擬射影的になることを示すことが当面の課題である.
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