研究課題/領域番号 |
10304002
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
代数学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
丸山 正樹 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50025459)
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研究分担者 |
河野 明 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00093237)
上野 健爾 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40011655)
西田 吾郎 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00027377)
森脇 淳 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70191062)
中島 啓 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00201666)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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キーワード | 安定ベクトル束 / 安定層 / モデュライ / ボゴモロフの不等式 / 反射的加群 / 単純な複体 / 有界性 / 第2種例外直線 |
研究概要 |
射影平面上の階数2の安定ベクトル束で次数1のものについて、第2種例外直線がなす双対平面上の曲線は元のベクトル束の性質を強く反映している.この研究で特異点の重複度の計算、tangent coneの計算についてほぼ決定的な結果を得た.有理2重点上の反射的加群の変形の空間とそこに現れる特異点について、元の2重点との深い関係を見いだした.半安定ベクトル束についての基本定理であるボゴモロフの不等式の一般化は広い応用を持つものであるが、この一般化に成功して、安定曲線のモデュライとの関係で興味ある結果を得た.また、この周辺では、算術的な高さ函数について深い結果を得ている.退化した多様体上での安定層の研究が大きく進展した.退化した多様体上の安定層を圏論的に把握することにより、放物安定層の概念と強い結びつきを発見した. 代数曲面上の安定層のモデュライについて、第2チャーン類をいくら大きく取っても、モデュライの次元が期待される次元よりも遥かに大きくなる偏極構造を取り得る代数曲面を構成した. モデュライの構成とその応用について発展性が期待される結果として、連接層の複体のモデュライが挙げられる.安定層のモデュライ空間を深い関連性を持った多様体上で比較するとき、個々の層をのみを考えるのは不十分であり、複体の導来圏で考えるのが自然である.この研究では安定性の一歩手前と考えられる単純性の合理的と思われる定義を導入して、それが代数的空間としてモデュライを持つことを示した.安定性の合理的な定義を見いだし、そのモデュライが擬射影的になることを示すことが当面の課題である. 安定層のモデュライが正標数の体の上で擬射影的か、すなわち不変量を固定した安定層の族が有界かという問題は、基礎多様体が2次元以下であればよいこと、安定層の階数が3以下であればいつも肯定的であることが示されて以来、全く進歩が無かった.この問題の解決を進展させることがこの研究において最大の目標でもあった.研究の最終年度に、20年ぶりに大きな一歩を踏み出す成果を得ることができた.すなわち、階数4の安定層の有界性が確立した.残念ながら一般的な結果に到達するにはこの方法には限界があると思わるが、3年間の研究においてこの方向で一定の成果は得た.まだまだ不十分であり、今後も継続的に研究をすすめていく.
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