研究分担者 |
谷口 正信 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (00116625)
久保川 達也 東京大学, 経済学部, 助教授 (20195499)
青嶋 誠 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (90246679)
藤越 康祝 広島大学, 理学部, 教授 (40033849)
磯貝 英一 新潟大学, 理学部, 教授 (40108014)
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研究概要 |
平成10年度には,次のような研究を行った.(i)統計的逐次推測とその関連領域の新展開,(ii)非正規性での統計理論と応用,(iii)統計的推測理論とその情報論的側面,(iv)事前情報を持つ統計的モデルの解析のための基礎理論とその応用,(v)多変量解析と時系列解析のハザマ,(i)については,逐次推測方式のリスク,漸近効率を求めてその有効性を確認した.特に群逐次検定方式の開発研究,逐次推定におけるベイズ効率等について一定の成果が得られた.(ii)については,非正規分布の下での検定統計量の性質,ノンパラメトリックの観点からの推定,検定の研究を行った.特に,非正規波母団の下での漸近展開公式とそのホテリングT^2型統計量への応用,補正関数によるセミパラメトリック回帰等について一定の成果が得られ,今後の研究の方向付けもなされた.(iii)については,統計的推測理論と情報理論の関係が詳しく研究され,特に最近,盛んになりつつある量子推定論と大偏差型評価や情報量の概念に基づく統計的推測方式の適切について研究が行われた.また,一般化情報量と非正規分布族における推定,情報量の定義と統計的推測における意味等の研究もなされ,多くの成果が得られた.(iv)については,現実の問題との関連を踏まえて事前情報をいかに取り込むように統計モデルをつくることができるかについて研究され,特に順序制約の下での分布の母数に関する検定や母数空間に制約がある場合の推定等について研究の進展が見られた.(v)については,多変量解析と時系列解析は密接な関係を持っているが,特に多変量時系列解析によるシステム解析,因子分析における独自分散の最大推定,多次元正規定常過程における標本自己共分散行列の漸近有効性等についての研究の発展が見られた. 上記の研究成果は,ほぼ研究実施計画通りに実行されて得られた.それらの成果の応用面への適用範囲は広いと思われる.また関連分野の研究者との研究打合せ等は非常に有効であった.
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