研究分担者 |
吉田 朋広 東京大学, 数理科学研究科, 助教授 (90210707)
高田 佳和 熊本大学, 理学部, 助教授 (70114098)
藤越 康祝 広島大学, 理学部, 教授 (40033849)
小池 健一 筑波大学, 数学系, 講師 (90260471)
青嶋 誠 筑波大学, 数学系, 助教授 (90246679)
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研究概要 |
主として,次の4点に研究テーマを絞って,それぞれの研究を行った。(i)組合せ的デザインとその推測への応用。実験計画法を基盤として発展してきた組合せ的デザイン理論の離散数学あるいは組合せ理論と関連した研究を,推測理論を踏まえて行った。特に,組合せ的デザインの新しい応用について知見を得た。(ii)統計的推測とその応用。特にスタイン問題,逐次解析,ベイズ・経験ベイズ的推測,統計的決定問題に関する研究を行った。そこでは,ノンパラメトリック逐次検定方式の開発,多変量分散成分の推定等について新しい知見を得た。(iii)経済時系列,数理ファイナンスにおける統計推測の基礎理論。経済時系列解析,ファイナンス・モデルの統計処理,特にオプション・プライシング,ポートフォリオ理論,バリュー・アット・リスク,またモデル選択,セミマルチンゲールの統計推測,サバイバルアナルシス,大偏差理論に関する研究を行った。特に,相関をもつマルコフ連鎖と信用リスク管理,準モンテカルロ法と加重サンプリングのハイブリッド・シミュレーションに関して新しい知見を得た。(iv)多変解析:線形から非線形へ。コンピュータが発展し膨大なデータが扱えるようになった結果,非線形構造の解明できるようになってきている。本研究では古典的な分析法に対比させた非線形統計手法の有効性に焦点を当てて研究を行い,理論,応用の双方において多変量解析法の評価,改良,そして新方法の開発を行った。 上記の(i)〜(iv)に関して,それぞれの研究集会を開催し,講演予稿も用意した上で,参加者との活発な討論,情報交換を積極的に行った。そして,それらの研究成果を踏まえて,さらに研究を継続して成果を上げる方向性を示すことができた。
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