非正則推測理論と情報量の概念に関する研究

2001 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 10304005
• 研究機関: 筑波大学
• 研究代表者: 赤平 昌文 筑波大学, 数学系, 教授 (70017424)
• 研究分担者: 谷口 正信 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教授 (00116625) ; 高田 佳和 熊本大学, 工学部, 教授 (70114098) ; 磯貝 英一 新潟大学, 理学部, 教授 (40108014) ; 栗木 哲 統計数理研究所, 助教授 (90195545) ; 吉田 朋広 東京大学, 数理科学研究科, 助教授 (90210707)
• キーワード: 計算機支援型推測 / 非正規性 / ノンパラメトリック推測 / 実験計画 / 組合せ理論 / 時系列解析 / 金融 / 特異モデル

研究概要

主として、次の5点に研究テーマを絞って、それぞれの研究を行った。
(i)最近の計算機支援型推測の基礎理論とその応用、計算機の発達により統計学の手法も理念もその適用範囲も大きく変貌してきた。最近の計算機支援型推測の理論的、数値的側面からの研究およびその技法の実際データへの有効な適用例などの応用研究に関する成果を得た。
(ii)非正規性での統計理論とその応用、広い分布の下でのノンパラメトリック、セミパラメトリック、U統計量、頑健性に関する研究および離散分布などの正規分布以外の分布の下でのパラメトリックの統計理論とその応用の研究について興味ある成果を得た。
(iii)実験計画法とその周辺における組合せ的構造の解明と推論理論、統計的計画の考察から発展してきた実験計画法は、今日では統計学のみならず離散数学あるいは組合せ理論の一部としても確立していて、実験計画、デザイン理論の最適性、構成、解析に関する研究成果を得た。
(iv)確率過程と統計的理論、データの観察に基づく確率現象のモデル化、分布計算法の開発、モデル固有の推測理論の構築、現象分析への還元という統計学の基礎的プロセス、時系列解析において統計的実験の複雑さのための確率論的および推測理論的な困難を伴うことが多い。ここでは、保険と金融、サバイバルアナルシス、気象データ解析などの応用分野へ適用可能性を目指した研究の成果を得た。
(v)統計学的推測の幾何学的方法と特異モデル、特に混合モデル、ARMAモデル、変化モデル、多重比較の多重検定、共分散構造モデル、不等式制約モデルと遊び系統樹モデル、ニューラルネットワーク等、識別性を必ずしも持たない、あるいは母数空間の制約等の特異モデルに関する研究について興味深い結果を得た。

研究成果

• [文献書誌] Akahira, M.: "The concept of normalized asymototic deficiency of and its application to the minimum discrepancy"Goodness-of-fit Tests and Validity of Models. 491-499 (2001)
• [文献書誌] Akahira, M.: "On the construction of confidence intervals"数理解析研究所講究録. 1224. 137-159 (2001)
• [文献書誌] Akahira, M., Takeuchi, K.: "Information inequalities in a family of uniform distributions"Ann. Inst. Statist. Math.. Vol.53 No.3. 427-435 (2001)
• [文献書誌] Isogai, E., Uno, C.: "Improved sequential procedures for estimating the percentile of a normal distribution"J. Statist. Pan. Inference. Vol.92 No.1&2. 163-174 (2001)
• [文献書誌] Takada, Y.: "Bayes sequential estimation of Poisson mean under a linex ross iunction"Seguential Analysis. Vol.20 No.1&2. 55-64 (2001)
• [文献書誌] Taniguchi, M.: "On large deviation asymptotics of some tests in time series analysis"J. Statist. Plan. Inference. Vol.97 special issue. 191-200 (2001)