研究課題
基盤研究(A)
数理科学の様々な分野に登場するグラフ上の離散的ラプラシアンについて、幾何学および解析学の両面から研究を行ない、理論の基礎づけと応用を行った。中でも結晶格子上の乱歩について、その推移確率の時間無限大における漸近挙動、特に局所中心極限定理と漸近展開の幾何学的表示を得た。この研究において、元は代数幾何学に由来するアルバネーゼトーラスとアルバネーゼ写像の概念をグラフ理論において定式化した。さらに、これらの概念といくつかのグラフ不変量との関係を明らかにした。結晶格子上のランダム・ウォークに磁場をかけることにより、離散的磁場付シュレディンガー作用素が得られるが、これに対する中心極限定理を確立し、そのスペクトル構造への応用を行った。これに関連して、C^*-群環の構造を研究し、非可変トーラスの一般化として、将来の問題として提起した。
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