研究課題
銀河の形成と進化の理解は現代天文学における主要研究課題の一つである。最近、この分野の研究動向は非常に暗い遠方の銀河を観測することにより、まさに形成途上の銀河(原始銀河)を捉えることに力点が置かれてきている。本研究計画は文部省国立天文台が建設してきた「すばる望遠鏡」(アメリカ合衆国ハワイ州ハワイ島マウナケア山頂に設置されている口径8.2mの光学・赤外線望遠鏡)が世界に誇る広視野主焦点カメラの特徴を生かして、従来にない狭帯域フィルターを用いたディープサーベイを行い、銀河と活動銀河核の形成と進化の研究を行うものである(通称「まほろば計画」)。この計画では、すばる望遠鏡+主焦点カメラ(Suprime-Cam)を使い、20枚以上のマルチ狭帯域フィルター(スペクトル分解能=23)を用いて広域ディープサーベイ(約1平方度)を行う。これにより約10万個の銀河と活動銀河核のスペクトル・エネルギー分布及び測光学的な赤方偏移を得ることができる。既に平成10年度と11年度において狭帯域フィルターを完成させ、本年度は秋に試験観測を行った。このデータは既に解析され、測光的な精度のチェックなど多くのテストを行うことができた。また、極めて興味深い輝線銀河の検出を10個程度発見した。平成13年度の本観測へ万全の体制を整えつつある。
すべて その他
すべて 文献書誌 (7件)